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プロ野球スカウトたちが明かすドラフトの“ウラ側”「担当選手の指名で涙…」「支配下の候補は約70人」「育成は事前打診が一般的に」
posted2021/10/16 11:03
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
Sankei Shimbun
「祭りのあと」という言葉があるが、まさにそれで、今はぐったりとしている。
ドラフト前1カ月ほどの騒然とした身辺の空気と、当日の緊張感。
もちろん志望届を出したわけじゃないが、毎年ピリッとした心持ちで「ドラフトの朝」を迎えるのは、どうしたわけか。
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今年もドラフト直前まであちらこちら飛びまわって「ドラフトトーク」を展開し、当日はインターネット放送「Paravi」でドラフト完全中継の解説をさせてもらった。
なんとか終えられた今、台風一過の静けさの中で、「2021年ドラフト」をいくつかの角度から振り返りたい。「ドラフト評価」は、おこがましくて私にはできないので、もう少し地に足の着いた視点からの振り返りにしてみたい。
プロ野球スカウトはどんな“1年間”を過ごしている?
ドラフトの主役はもちろん、指名される選手たちなのだが、もう一方の主役は彼らを発掘し、追跡調査した「スカウトたち」にほかならない。
「ドラフト振り返り」、今回はスカウトたちの「ドラフトまで」をお伝えしたいと思う。以下はあるプロ野球スカウトの方々に私が直接聞いた話だ。
夏の甲子園が終わった日、それがスカウトたちの一区切りになる。翌日から高校野球が秋の新チームに切り替わっているからだ。
ただし、夏の甲子園を逃したチームは、すでに新チームの練習試合を8月初旬から始めており、秋のリーグ戦を控えた大学チームのオープン戦と並行して、まだまだ真夏のグラウンドに足を運ぶ。
スカウトたちの「熱い夏」は甲子園が終わっても、まだ続いているのだ。あるスカウトはこう話す。
「ちょっと前まで、3年生中心の高校野球見てるでしょ。これがまた、大人顔負けのプレーで上手いもんだから、新チームの試合見ると、ギョッとするぐらいヘタに見えるんですよ。でもそんな選手たちが、1年経つとビックリするぐらい上手くなっている。毎年のことですけど、高校生の成長力って、すげえなぁ……って驚かされますね」
秋には“200~300人”が翌年ドラフト候補に
9月に入れば、ドラフトも目前になって、「今年の仕事」と「来年の仕事」の両方で忙殺される。スカウトの方が証言する。