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交代2枚残しで完敗「オマーンに勝てる要素はゼロ」…なぜ森保ジャパンは90分間で軌道修正できなかったのか?
posted2021/09/03 17:02
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Getty Images
時間が経つほどに、敗戦の重みが増してくる。
9月2日に行なわれたカタールW杯アジア最終予選の開幕戦で、日本はオマーンに敗れた。ホームで0対1の苦杯をなめた。
ロシアW杯の最終予選も、黒星スタートだった。しかし、内容はまったく違う。UAEに敗れた5年前は、微妙な判定でPKを献上し、浅野拓磨の得点が認められなかった。引分けが妥当な試合だったが、今回は主将の吉田麻也が「負けるべくして負けた」と言う内容である。
日本は3日、オマーンは1カ月…徹底した準備と対策
試合前から不安材料はあった。CB冨安健洋とボランチ守田英正が合流できず、どちらのポジションもできる板倉滉がケガで離脱した。南野拓実も合流後にケガをしてしまい、ベンチ入りはしたもののピッチに立てる状況ではなかった。
8月30日からトレーニングを開始した日本が、ホームゲームでも十分な準備時間を持てなかったのはいつもどおりである。いつもと違ったのは、相手のコンディションだった。オマーンは1カ月前からセルビアでトレーニングを積み、クラブチームとの練習試合も4つ消化してきた。
スカウティングにも余念がなかった。ブランコ・イバンコビッチ監督は「3月の韓国戦、6月のタジキスタン戦とセルビア戦などを丹念に見た」と話した。自分たちのプレーモデルをしっかりと固め、日本の攻略法を具体化していたのである。そのうえで、コンディションの良さを感じさせた。来日は直前だったが、動きにはキレがあった。
最終予選の開幕戦である。難しい試合になるのは想定内だったし、前半をスコアレスで折り返したところまでは悪くなかった。この試合に求められるのは大勝でも快勝でもなく、しぶとく勝点3を取ることだからだ。
堂安や久保が入っても「得点の気配」は生まれない
森保一監督は、後半開始から選手を入れ替えた。4-2-3-1の「3の左」が、原口元気から古橋亨梧になる。右から伊東純也、左からは古橋が幅を取りながら背後へランニングすることで、4-3-1-2のシステムで中央を固めるオマーンの守備を広げようとした。