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中野たむ“引退”のスターダム賛否両論マッチは「大成功」だったのか？ 上谷沙弥「全部お前のせいだからな」感動以上の“強烈なインパクト”
posted2025/04/28 17:01
4月27日の「敗者引退マッチ」を終え引退が決まった中野たむと上谷沙弥
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
結論はシンプルだった。試合に負けてその場で引退。それだけであり、設定されたテーマそのままだった。
4月27日、横浜アリーナで開催された女子プロレス団体スターダムのビッグマッチ。メインイベントのワールド・オブ・スターダム選手権試合は敗者引退マッチとして行われた。
“否”の勢いが凄かったファンの意見
王者・上谷沙弥と挑戦者で前王者の中野たむは、因縁が深まる中で3月に「敗者退団マッチ」で対戦し上谷が勝利（たむはスターダムを退団し、その後はフリー参戦に）。それでも納得がいかないたむは引退をかけての再戦を要求した。これを受けた上谷は「私も引退をかける」。本来その必要はないのだが、相手が中野たむであれば自分もすべてをかけないと収まらなかった。
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「お互い“コイツが相手なら死んでもいい”って思えるところまで来ちゃったんだよね」
当然ながら、敗者退団マッチも敗者引退マッチも賛否両論。とりわけ“否”の勢いは凄かった。上谷かたむのどちらかが引退するなど、とても受け止めきれなかったのだろう。話題作りのため、チケットを売るために団体が「敗者引退」を仕組んだのだという声も多かった。
じゃああなたはそんなことをする団体、それを受け入れるような選手のファンなのか。スターダムは横浜アリーナ1回の集客のために上谷沙弥か中野たむのキャリアを“切る”団体なのかということになってしまうのだが、ファンの気持ちとしてはどうしても落ち着いていられないということ。誰かのせいにできるならしたいのだ。
筆者もリングサイドで試合を撮影しながら、最初にカウント2が入った時にドキッとした。あと一つレフェリーがマットを叩いたら、スターダムのトップ選手のうち1人が引退してしまう。
上谷は泣き顔を隠していたのかも…
鋭い角度の投げ技、張り手の打ち合いなど技巧も感情も激しくぶつけ合って、負けたのはたむだった。前回のフィニッシュ、上谷のカミゴェ式ビッグブーツでも勝負が決まらない。そこで上谷が繰り出したのは、たむの必殺技であるトワイライト・ドリーム（変形タイガースープレックス）だった。
“掟破り”の勝利か。いや、もともとはたむが上谷をプロレスに誘った“師弟関係”であることを考えれば、相手の技でフィニッシュするのは“餞”にも見える。引退するたむの技を継承したという考え方もできるだろう。
3カウントを奪った上谷は、バックを取った体勢のまま、倒れたたむの背中からしばらく離れなかった。ダメージで起き上がれないのではなく、たむの背中に抱きついて顔を埋めているようでもあった。泣き顔を隠していたのかもしれない。
ようやく離れてマイクを握った上谷だが、結局は涙が抑えられなかった。
