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「試合時間が長い野球は厳しい…」“スポーツを見ない”若者が、東京五輪で見た競技は? 球技ではバスケが支持される理由 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2021/08/27 17:03

「試合時間が長い野球は厳しい…」“スポーツを見ない”若者が、東京五輪で見た競技は? 球技ではバスケが支持される理由<Number Web> photograph by Getty Images

東京五輪で正式種目に追加されたスケートボード。写真はナイジャ・ヒューストン(アメリカ)

「Jリーグが発足した1990年代では、関東の視聴率で12、13%とれないとテレビ中継は組みたくないというのが、各局の見方でしたね。そのためうまくテレビコンテンツとして定着できず、2017年以降のJリーグは、DAZNと10年間で約2100億円の放映権契約を結んでいます(※編集部注:後に12年間契約に変更)。J1、J2、J3の全試合が中継されていますが、リーグ全体が有料放送のみに頼るのですから、地上波の無料放送と比べて視聴者数は一桁以上減ります。こうしてコンテンツを閉じ込めてしまう形では、ファンの増加をはかるのは難しい。実際、このDAZN偏重に先行きのリスクを感じているリーグ関係者も少なくありません」(鈴木氏)

SNSで若年層を取り込む“2つの方法”

 各種の動画コンテンツを用意し、それをいかに若年層に届けるかがキモとなろう。彼らが長時間接するSNSによる宣伝手法について、ソフィヤ氏はこう話す。

「若年層向けにSNS上で告知を表示させるのはもちろん重要です。しかし、テレビと同じような告知動画を彼らのタイムラインに表示させても違和感が出てしまい、見てもらえない可能性があります。例えば、若年層のフォロワーを持つアスリート自身に発信してもらうなどの方法が、彼らを動かすのに有効だと思われます。若年層はアスリートのプライベートの様子や食事法などにも関心が高いため、そのようなトピックから競技に触れてもらうことも一策です」

 若者研究の第一人者で、マーケティングアナリストの原田曜平氏も、スポーツ業界のSNS運用について次のように指摘する。

「スポーツ関係者がSNSで若年層を取り込むにはふた方向のやり方しかありません。ひとつはまったくスポーツに興味のない層を呼び込む施策。例えばバスケであれば『100人連続で3ポイントシュートを決める』ような“スゴ動画”でバズらせ、興味を引く。もうひとつの方向は特に既存ファンに向けて、さらなるオタク情報を提供すること。五輪では選手の裏側を見せることで関心が生まれましたが、そのような動画を投稿する。単にハイライトを流すだけの運用では関心は広がっていきません」

ジャイアンツの“若者ファン”戦略

 それではスポーツ業界は実際にどのような施策を行い、若者の関心を引いているのだろうか。国内のスポーツチームではファン数や資金面など圧倒的な規模を誇る読売ジャイアンツの球団関係者はこう語る。

【次ページ】 ジャイアンツの“若者ファン”戦略

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