酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
アメリカは“2番オースティンと一発強打”さえ警戒すれば 挽回の機会を与えてほしい投手の名は…《五輪野球決勝プレビュー》
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byShinya Mano/JMPA
posted2021/08/07 11:05
準々決勝で侍ジャパンはアメリカ相手に劇的な勝利を挙げた。返り討ちにして金メダル獲得なるか
どの打順からも攻撃が仕掛けられる日本
<日本>
山田哲人 4試16打5安1本7点 率.313 指名打者(二塁手)
坂本勇人 4試18打7安1本4点 率.389 遊撃手
吉田正尚 4試16打5安0本2点 率.313 左翼手・指名打者
鈴木誠也 4試15打1安1本1点 率.067 右翼手
浅村栄斗 4試15打4安0本1点 率.267 一塁手
柳田悠岐 4試16打5安0本2点 率.313 中堅手
菊池涼介 3試12打2安0本1点 率.167 二塁手
村上宗隆 4試13打4安0本2点 率.308 三塁手(一塁手)
甲斐拓也 4試10打5安0本3点 率.500 捕手
近藤健介 3試6打2安0本0点 率.333 代打(左翼手)
梅野隆太郎 1試2打0安0本0点 率.000 捕手
源田壮亮 2試0打0安0本0点 率.- 代走(三塁手)
栗原陵矢 1試0打0安0本0点 率.- 代打
上位から下位まで、打線のどこからでも攻撃が仕掛けられ、得点に結びつけられるレベルの高さが強みだ。4番の鈴木誠也はまだ本塁打1本だけだが、ここから大きく打線をいじることはないだろう。
稲葉監督は強化試合の2試合目から村上宗隆を8番に置いているが、9番の甲斐拓也が絶好調なこともあり、上位打線につながることが多く想像以上の強みになっている。
近藤健介以下の控え選手は出場が少ないが、全員が最低1度は印象的な仕事をした。気配りの稲葉采配が見事に当たっている。
懸念材料があるとすれば左翼の守備だろう。吉田正尚、近藤健介は守備範囲、肩ともに平凡で、走者の本塁突入を阻止できないシーンが見られた。
鈴木誠也や柳田悠岐を左翼に回すことは考えられないし、今から手当てをすることはできないが、左翼に打球が飛ぶとアメリカの走者が思い切って本塁を突くケースも見られるのではないか。内野の中継も含めた俊敏性が求められる。
アメリカは2番オースティンの強打が目立つ
<アメリカ>
E.アルバレス 5試20打5安0本3点 率.250・二塁手
T.オースティン 5試21打9安2本7点 率.429・指名打者
T.カサス 5試19打5安3本8点 率.263・一塁手
T.フレージャー 5試17打3安0本1点 率.176・三塁手
E.フィリア 5試16打4安0本0点 率.250・右翼手
J.ウエストブルック 4試18打4安1本1点 率.222・左翼手
N.アレン 5試17打3安1本2点 率.176・遊撃手
M.コロズバリ 5試17打4安0本2点 率.235・捕手
J.ロペス 5試11打2安0本2点 率.182・内外野
B.スターリング 3試7打2安0本2点 率.286・中堅手
P.キブレハン 1試3打0安0本0点 率.000・左翼手
マイナーリーガー、独立リーガーが多く、一線級の投手には対応できないケースが目立つ。そんな中でDeNAのタイラー・オースティンの強打が際立っている。
ソーシア監督は4試合目のドミニカ共和国戦からオースティンを3番から2番に上げたが、MLB流の「2番最強打者」の考え方であり、圧倒的なポイントゲッターにより多くの打席を回そうとしているのだ。続くトリスタン・カサスは確実性はないが、一発の強みがある。アメリカはこの2人の前に走者を出す戦法だ。
しかしウエストブルックやアレンなどにも一発が出ており、下位でも侮りがたい打線になっている。
続いては投手陣を見ていこう。