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アメリカは“2番オースティンと一発強打”さえ警戒すれば 挽回の機会を与えてほしい投手の名は…《五輪野球決勝プレビュー》
 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byShinya Mano/JMPA

posted2021/08/07 11:05

アメリカは“2番オースティンと一発強打”さえ警戒すれば 挽回の機会を与えてほしい投手の名は…《五輪野球決勝プレビュー》<Number Web> photograph by Shinya Mano/JMPA

準々決勝で侍ジャパンはアメリカ相手に劇的な勝利を挙げた。返り討ちにして金メダル獲得なるか

栗林以外のリリーフ陣が踏ん張れるか

<日本>
先発
山本由伸 2登0勝0敗0S 0本11.1回/率1.59
森下暢仁 1登1勝0敗0S 0本5回/率3.60
田中将大 1登0勝0敗0S 0本3.2回/率7.36
救援
伊藤大海 2登1勝0敗0S 0本4回/率0.00
岩崎優 2登0勝0敗0S 0本1回/率0.00
栗林良吏 4登2勝0敗2S 0本4回/率2.25
山崎康晃 2登0勝0敗0S 0本2回/率0.00
青柳晃洋 2登0勝0敗0S 1本1.2回/率27.01
千賀滉大 1登0勝0敗0S 0本2回/率0.00
大野雄大 1登0勝0敗0S 0本1回/率0.00
平良海馬 2登0勝0敗0S 1本1.1回/率13.50

 エース山本由伸は責任を果たした。アメリカ戦は森下暢仁が先発だろうが、稲葉監督は田中将大をはじめ、山本以外の投手はすべてつぎ込む覚悟だろう。

 クローザーの栗林が全4試合に登板。2勝2セーブと全勝利に絡んでいるが、その分、負担が大きくなっている。できれば他の救援投手にふんばってほしいところ。とりわけ平良はメキシコ戦で本塁打を打たれたが、まだ十分に持ち味を発揮していない。挽回のチャンスを与えるべきではないか。

投打ともにNPBの選手が柱である

<アメリカ>
先発
Jライアン 2登1勝0敗0S1本10.1回/率1.74
Nマルティネス 1登1勝0敗0S本5回/率1.80
Sバズ 1登0勝0敗0S本2.2回/率6.75
Sカズミアー 1登1勝0敗0S本5回/率0.00
救援
Aカーター 3登0勝0敗0S1本2.1回/率7.72
Aゴース 4登0勝0敗0S0本5.1回/率0.00
Eジャクソン 2登0勝1敗0S0本1.0回/率0.00
Sマクガフ 4登0勝0敗0S0本3.1回/率2.70
Dロバートソン 3登0勝0敗0S1本3回/率6.00
Bディクソン 3登0勝0敗0S0本3.1回/率2.70
Rライアン 3登1勝0敗0S0本4.0回/率0.00

 ノックアウトステージ第2ラウンドで対戦したときは若手のシェーン・バズが先発したが、日本にとってはそれほどの脅威ではなかった。MLB通算108勝の左腕スコット・カズミアーはドミニカ共和国戦で5回零封と好投したが、今回の先発はソフトバンクのニック・マルティネスだろう。要するに投打ともに現役NPB選手がアメリカの柱なのだ。

 前回の対戦でアメリカは8投手を投入した。元日本ハムのカーター、元オリックスのディクソン、現ヤクルトのマクガフも日本戦で投げている。その点ではすでに手の内を明かしたことになる。救援では、前回の対戦で日本打線を退けた剛速球のゴースが強敵になるか。

【次ページ】 オーソドックスな戦法の“大谷の恩師”だが……

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