酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
アメリカは“2番オースティンと一発強打”さえ警戒すれば 挽回の機会を与えてほしい投手の名は…《五輪野球決勝プレビュー》
posted2021/08/07 11:05
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Shinya Mano/JMPA
侍ジャパンの決戦の相手はアメリカになった。8月5日の準決勝、アメリカ対韓国で、アメリカが7-2で韓国を下したのだ。
韓国のキム・ギョンムン監督は、4回のアメリカ、ウエストブルックの左翼本塁打についてビデオ判定を要求。きわどい当たりには見えなかったが、勝利への執念を感じさせた。ただ韓国の敗因は、信頼できる投手を見いだせなかったことだろう。この日の6回には5人もの投手を繰り出したが決定的な5点を奪われた。若くて勢いのある投手はいたが、日本の山本由伸のようなエースは不在だった。
さて、様々なキャリア、年齢の選手の寄せ集めだったアメリカは試合を経るごとにチームとしてまとまってきた感がある。大谷翔平の恩師でもあるマイク・ソーシア監督は、あまり極端な選手起用はしないが、次第に適材を適所に置くようになってきている。両軍の戦力を比較しよう。
打率は低いが、やはり本塁打は出ている
日本 4試合4勝0敗 23得点15失点
打率.288 3本塁打 防御率3.65 2被本塁打
アメリカ 5試合4勝1敗 28得点13失点
打率.247 7本塁打 防御率2.18 3被本塁打
日本は4連勝だが1点差のサヨナラ勝利が2試合、3点差が2試合。楽勝の試合はなかった。アメリカは日本に1敗したが、勝利した試合は7点差が1試合、5点差が1試合、2点差が2試合。得失点差では日本を上回っている。
強打の印象があるアメリカだが打率は日本より低い。しかし決め所で有効に本塁打が出ている。日本は被本塁打に気を付けるべきだろう。
打線を見ていこう。