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《ブンデス“能力ランキング”全選手中10位に》遠藤航が語る「“6番”的なプレー」への思いと、OAの“意外と知られていない”事実とは? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2021/07/17 11:02

《ブンデス“能力ランキング”全選手中10位に》遠藤航が語る「“6番”的なプレー」への思いと、OAの“意外と知られていない”事実とは?<Number Web> photograph by Getty Images

7月12日のホンジュラス戦にて、相手プレーヤーをマークする遠藤航。“チームの心臓”としての役割を期待される。

 サッカーが国技なのかと思わせるほどの存在感を放つドイツでは、サッカーと選手の価値を伝えるためにメディアは様々な趣向をこらしている。今では移籍情報と選手の市場価値を示す権威となったサイト『Transfermarkt』もドイツで生まれたものだ。

 そんな国で、昨シーズンからサッカー選手の能力を表すための興味深い試みが始まった。トライしたのは、ヨーロッパ最大の発行部数を誇る『ビルト紙』と同じ会社が発行する『スポーツビルト誌』というスポーツ雑誌である(両者の関係は朝日新聞と、週刊朝日の関係のようなもの)。

 「スポーツビルト誌」のチャレンジは、1年間にわたって選手のパフォーマンスを数値化し、そのランキングを発表することで、誰にとっても納得のいく形で評価を可視化するというものだった。

「“6番”的な選手の評価も変わるのかな」

 具体的にはこうだ。毎節、選手のパフォーマンス表す数値を、『主観』と『客観』の2つの観点から算出されたポイントで表す。ポイントの50%は、同誌と同じグループの『ビルト紙』の記者の『主観』による採点を数値化したもの。残りの50%は、ゴール数やデュエル勝利数。あるいはパス数など、試合から得られる『客観』的なデータを数値化したものだ。

 なんと、1年かけ算出されたランキングで遠藤は、ブンデスリーガ全選手のなかで10番目に入ったのだ。MFとしては2番目というインパクトだった

 なお、1位はトーマス・ミュラー、2位はレバンドフスキ、3位はアンドレ・シウバ。MF部門のトップは、全体で8位のビィンチェンツォ・グリフォである。

 遠藤は残り1試合となった第33節終了時点では全体で4位、MFでは1位だったのだが、最終節を出場停止で出られなかったため、最終節は0ポイントに。そこでポイントが加算された他の選手たちにぬかれてしまった形だった。出場停止がなければトップ5入りというのはおそろしいまでの存在感だ。この事実について遠藤は昨シーズン終了直後にこう話していた。

「データとそういうもの(主観)とが半々の評価というところで上位というのは僕も知らなかったですけど、ドイツ国内でそうやって評価されるようになったというのはすごく嬉しいです。その評価が、日本での6番的な選手(いわゆるボランチのポジション)のイメージも変えるのかなと思っているので、嬉しく思います」

1分もピッチに立てなかったロシアW杯から

 一昨シーズンの遠藤はブンデス2部で『主観』の評価により、『キッカー誌』のベストイレブンに選ばれた。昨シーズンはデュエルの勝利数という『客観』的なデータで首位になった。

 特筆すべきは、『主観』でも『客観』でもブンデスリーガを代表する選手になったことだ。

 この『客観』的な項目には見るものにも伝わるような闘争心やハートも含まれている。代表での戦いは、クラブチームとは異なり活動期間が限られているし、国を背負っての争いだから、メンタルの要素が勝敗を大きく左右する。だから、それを表現できる選手は、代表選では頼りになる。

【次ページ】 「1年延期は僕にとってはポジティブ」

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遠藤航
東京五輪

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