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Jをめぐる冒険BACK NUMBER
堂安律「点を取るべきやつらが、取ること。それに尽きる」頼れる金メダル宣言…初戦で“4年前の再現ゴール”を
posted2021/07/17 06:01
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Getty Images
6月シリーズで2得点1アシストと、期待どおりの結果を残した堂安律も、6月22日のオリンピックのメンバー発表を落ち着いて見ることはできなかった。
「発表の15分くらい前から、そわそわしていて、緊張していました。いや、緊張という言葉が正しいのかどうか……。もしかしたら、ワクワクかもしれない。気持ちが高ぶっていたのかもしれないです」
東京五輪をともに戦うメンバーが明らかになったとき、堂安が注目したのは、個性である。
「一人ひとりを見ると、それぞれが確固たる武器を持っていて、個性的な集団だなって。個の能力は、過去のオリンピックのメンバーよりも高いんじゃないかなと。海外で揉まれている選手も多いですし、すごく大人な選手たちが選ばれたと思います」
堂安をはじめ、久保建英、中山雄太、冨安健洋、板倉滉、三好康児ら海外でプレーする選手たちは10代の頃から年代別代表の常連で、すでにA代表での実績もある。
なかでも堂安は、2013年にU-15日本代表に選出されて以来、すべてのカテゴリーの代表を経験してきた。
「この世代のアンダーの活動がスタートしてから、どの監督にもコンスタントに呼んでもらってきたので。すべての時代を知っている選手として、この世代の中心的な存在にならないといけない。そうした責任も感じます」
一方で、アンダーの代表とは無縁だったが、プロ入り後に結果を残し、五輪代表にのし上がってきた選手もいる。上田綺世、前田大然、三笘薫、相馬勇紀、旗手怜央、林大地らだ。
そこに、育成年代やプロサッカー選手のキャリアの難しさを感じずにはいられない。
「上から言うつもりはないんですけど、すごくリスペクトしています。自分の置かれた状況から諦めずに這い上がるメンタリティや向上心というのは、サッカー選手にとって必須のもの。僕も海外に行ってから、その重要性を痛感しているので、そういう逞しい選手たちがチームメイトにいてくれて、本当に頼もしいと思います」
ただし、堂安は自分自身のことを決してエリートだとは思っていない。