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堂安律「僕たちが目指しているのは…」 田中碧、上田綺世の反骨心と急成長ストーリー【U-24出世競争がアツい】
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byGetty Images
posted2021/06/06 17:00
ガーナ戦でゴールを決め、久保建英と喜ぶ堂安律
<名言3>
点を取ることに特化した、兵器みたいな選手になれたらいいなって。
(上田綺世/Number980号 2019年6月13日発売)
◇解説◇
6-0で大勝したガーナ戦の2点目、スコアラーは東京五輪世代の象徴である久保建英だった。その2点目をおぜん立てしたのは上田だ。1トップで先発した上田はペナルティエリア内右で相手を背負いながらもボールをキープし、フリーの久保に時間を作ったのだ。
そして後半11分には久保建英→相馬勇紀→中山雄太と繋がったボールを、最後は上田が頭で叩き込んだ。オーバーエイジ枠での“大迫勇也待望論”もあったなかで、上田がFWとしてのプレーの幅を広げていることを証明した。
そんな上田が悔しい思いを味わったのは、東京五輪世代中心で臨んだ2019年のコパ・アメリカだった。
当時、法政大学2年生にして名門・鹿島アントラーズ加入が内定。2018年夏のアジア大会で活躍し、抜擢に至ったのだ。
鹿島の担当スカウトも「とにかく点を取るやつだな」と評価するなどゴールへの嗅覚は際立ったものを見せていた。ただしコパ・アメリカでは巧みなポジショニングから何度かチャンスを迎えたものの無得点に終わり、メディアの批判を受けるという苦い経験もした。
しかし裏を返せば、Jリーガーとなる前に厳しい経験をできたとも言えるだろう。
現在、相馬直樹監督率いる鹿島では今季チームトップタイの6得点を挙げて、この世代を通じて招集され続けてきた意地を見せている。今後の“出世競争”を勝ち抜くために、上田はもっともっと積極的にゴールを狙いに行くはずだ。
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