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日本ダービーはエフフォーリアとサトノレイナスだけではない? “皐月賞の着順=実力”とは考えない方がいい理由
posted2021/05/29 11:02
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
日本ダービーこと東京優駿が今週末の日曜日に迫った。
東京競馬場の芝2400メートルを舞台に3歳の頂点を決めるこのレース。馬主や調教師、ジョッキーなど、全てのホースマンが夢見るこのクラシックレースに、今年は17頭が出走を予定。フルゲートが18頭になった1992年以降、フルゲートに満たないのは今回が初めてとの事だが、これによってレースの格や価値が落ちるわけではない。今年もGIの名に恥じないメンバーが揃ったとみて良いだろう。今回はそんな中から有力と思える何頭かをピックアップして紹介したい。
サトノレイナスは牡馬相手でも通用する
まず大きな注目を集めているのがサトノレイナス(牝3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。2歳時の昨年、デビュー2連勝を飾ると阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)に挑戦。ソダシの2着に惜敗し、初めて黒星を喫した。更に今年初戦となった桜花賞(GI)でもソダシの2着。しかし、その後、先週行われた牝馬クラシック第2弾のオークス(GI)ではなく、牡馬相手となるダービーに駒を進めて来た。管理する国枝栄調教師は言う。
「距離が延びて良いタイプだし、兄のサトノフラッグと比べてもこちらの方が良い馬。そのフラッグはダービーこそ11着に負けたけど、皐月賞トライアルの弥生賞(GII)を勝ちました。そんな比較から、牡馬相手でも充分に通用すると思い、ダービー出走を決めました」
デビュー以来、この牝馬に乗り続けているのがC・ルメール騎手。彼は言う。
「国枝先生から『ダービーはどう?』と聞かれて、即座に『良いですね!』と答えました。そのくらい充分に通用すると思えたんです。中間も2度、調教に乗りました。最終追い切りは彼女にとってイージーワークにとどめましたが、これはコンディションが良いからこそ。牡馬勢には強い相手がいるのは承知していますが、チャンスはあると考えています」
オーナーの里見治(名義はサトミホースカンパニー)氏は2016年のダービーでサトノダイヤモンドがハナ差の2着。レース中に落鉄の不運もあったそうで、悔しい想いをしている。5年越しに雪辱なるか。ちなみに牝馬が勝てば07年のウオッカ以来の快挙となる。
グレートマジシャンのレベルは
ここまで3戦2勝、2着1回という成績なのがグレートマジシャン(牡3歳、美浦・宮田敬介厩舎)だ。