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日本ダービーはエフフォーリアとサトノレイナスだけではない? “皐月賞の着順=実力”とは考えない方がいい理由 

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平松さとし

平松さとしSatoshi Hiramatsu

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posted2021/05/29 11:02

日本ダービーはエフフォーリアとサトノレイナスだけではない? “皐月賞の着順=実力”とは考えない方がいい理由<Number Web> photograph by Satoshi Hiramatsu

エフフォーリアの2冠がかかったダービーで、この無敗馬の前に出る馬はいるのだろうか

 昨夏の札幌でのデビュー戦は2着に4分の3馬身差の辛勝だったが、2戦目の百日草特別で強い競馬ぶりを披露すると、年明け初戦となった共同通信杯も完勝。先述したように2着ヴィクティファルス、3着シャフリヤール、4着キングストンボーイ、5着ステラヴェローチェと好メンバーの揃ったレースだったが、2着に2馬身半の差をつけ、1頭だけ抜け出してみせた。

 そして、1頭だけ抜け出したという意味では続く皐月賞も同様だ。2着のタイトルホルダーから7着のディープモンスターまでがクビ、クビ、クビ、半馬身、クビ差で、時計差にしても僅か0秒3差だったのに、エフフォーリアだけは2着に3馬身の差をつけて突き抜けた。時計にして0秒5差。皐月賞の舞台となる中山競馬場の2000メートルとダービーが行われる東京競馬場の2400メートルで、どちらがまぐれの生じる可能性が高いかと言えば、明らかに小回りの前者だ。そこでこれだけ完勝したとなると、クラシック2冠目で他馬が逆転するのは容易ではないだろう。コンビを組むのはまだ22歳と若い横山武史騎手だが、管理する鹿戸調教師は次のように言う。

「武史も緊張するだろうけど、皐月賞も上手に乗ってくれたし、馬の力を信じて乗ってくれれば大丈夫でしょう」

コントレイルに続く無敗2冠馬の誕生へ

 肝心の状態面に関しては「前走後、一度放牧に出した後、ダービーまでの日程を逆算して帰厩。予定通りの調教を積む事が出来て、良い仕上がりです」と語る。

 父のエピファネイア、そのまた父のシンボリクリスエス、そして母の父のハーツクライがいずれもダービーでは2着に惜敗しているが、父の母シーザリオはオークス馬であり、その父がダービー馬スペシャルウィークなら、惜敗血統とは言わせない。若き鞍上にいざなわれ、昨年のコントレイルに次ぐ2年連続での無敗の2冠誕生の可能性は決して低くないだろう。競馬だから何が起こるか分からないのは事実だが、期待して、応援したい。

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