バレーボールPRESSBACK NUMBER

「別人です、別人」14年ぶりVリーグ優勝へ導いた柳田将洋の“変貌”…日本代表主将は交代も「ショックはない。だって石川なら」

posted2021/04/11 11:00

 
「別人です、別人」14年ぶりVリーグ優勝へ導いた柳田将洋の“変貌”…日本代表主将は交代も「ショックはない。だって石川なら」<Number Web> photograph by KYODO

リーグ優勝に貢献したサントリーサンバーズの柳田将洋。日本代表では主将の座を石川祐希に託す形となったが、「やることは変わらない」とさらなる飛躍を誓った

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

PROFILE

photograph by

KYODO

“PLAY HARD”

 2020-21シーズンのV.LEAGUEを制したサントリーサンバーズが、今季掲げたチームスローガンである。

 昨年、コロナ禍で全体練習ができなかった時期にグループワークを行い、選手たちが自ら決めたテーマだ。体育館には「PLAY HARD」と墨文字で書かれた横断幕が掲げられ、壁にはコート内外での心得が貼られている。たとえば――。

・ボールを最後まで追う。落ちるまで諦めない
・できていること、できていないことを伝える。互いのレベルアップのために妥協しない、させない
・練習前後のセルフコンディショニング
・1日1回は全員とワンラリーの会話をする

 昨年6月にチームが始動した時、この“PLAY HARD”を一番体現したのは、4シーズンぶりにサントリーに復帰した柳田将洋だった。

 対人練習から、目の色を変えてボールを追う。

 柳田は、2015年ワールドカップでの活躍で一躍代表の主力となり、人気選手となった。過去3シーズンはドイツ、ポーランドのリーグでも結果を残し、日本代表の主将も任された。勝負強いスパイクやサーブで試合を決める、華のある選手だ。だが、バレーに対する姿勢は泥臭い。その姿に、若手も、久しぶりに共にプレーした選手も、驚いた。

サントリーを変えた柳田の“姿勢”

 主将を務める3年目のセッター大宅真樹は、「自分を追い込む姿勢がすごい。対人1つをとっても、無理だと思うようなボールも絶対に滑り込んで、最後まで追いかけるので」と語っていた。

 山村宏太監督は、すぐにチームの変化を実感した。

「日本人選手は、待ちの姿勢になってしまうことが多いんですが、マサ(柳田)が帰ってきて、いい見本になっている。練習中のみんなの雰囲気や取り組む姿勢が変わりました。海外では、発言しないと誰も反応してくれないし、自分からアクションを起こさないと何も変わらないということをマサは肌で感じたと思う。ハングリー精神を感じます。自分はもっと上に行くんだ、強くなるんだというマインドがすごくて、ありがたかった。

 加入当初はマサが一番練習していた。これじゃ足りない、もっとやらないとって、マサみたいな代表選手がそこまでやっているのに、自分はこのままでいいのか?と、周りも触発された。“PLAY HARD”というスローガンを掲げて、『全力でやろう』とやってきましたが、全力とは何なのか、その取り組み方を教えてくれたのがマサなのかなと。それがうちのチームに一番必要なものだったのかなと思います」

【次ページ】 「おい!もう一回行こーぜ!」

1 2 3 4 NEXT
#柳田将洋
#サントリーサンバーズ
#山村宏太
#大宅真樹
#鶴田大樹
#栗原圭介
#石川祐希

バレーボールの前後の記事

ページトップ