箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
強豪で箱根駅伝を目指すも挫折…大学で“飲みサー”に入ったランナーが「人気ラン系YouTuber」になるまで
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTomosuke Imai
posted2021/04/07 06:01
実は陸上の強豪高校出身で、「箱根駅伝を目指していた」という“ランチューバー”山田祐生さん
“速い”市民ランナーが増えているのはなぜ?
――でも大学陸上部出身とかに関係なく、市民ランナー全体としてレベルがどんどん上がっていますよね。
「先日のびわ湖毎日マラソンでは、市民ランナーの中村(高洋)さんがサブ10(※1・2時間9分40秒)を達成していましたね。たしかに色んな人が気軽にプロや実業団の練習風景を見れるようになったこともあって、市民ランナーの練習の質が向上していると思うんです。タイムの壁を壊しやすくなっていると思います」
※1・サブ10=2時間10分以内でフルマラソンを走り切ること
いま、山田さんは『まるお製作所ランニングクラブ』で毎週水曜日に都内の公園に集合し、サブ20(※2)レベルの質の高い練習をこなしている。サブ3や初心者の練習もあり、30名ぐらい参加しているという。日曜日は埼玉県内で『ランニング食堂』の練習会を開き、他にも神奈川県など関東や秋田、福岡など各地でSNSを使って有志に集まってもらい、練習会を催している。
※2・サブ20=2時間20分以内でフルマラソンを走り切ること
目標タイムは「ゆくゆくはサブ10をと思いつつ…」
――ランチューバー・ランニング食堂さんが目指すタイムは?
「ゆくゆくはサブ10をと思いつつ、まずは現実的に15分を切りたいですね。SNSで2時間12分で走るランナーさんの練習メニューが公開されているんですが、僕と弟はそれを高いレベルでこなせているので、そこまではいけるんじゃないかなって思っています」
ランニングユーチューブ界のパイはそれほど大きくはなく、登録者数は10万人が限界だと言われているという。ただ、それはこれまでの常識である。『ランニング食堂』がフルマラソンで淡々と自己ベストを更新してきたように、いずれ登録者数が10万人、20万人を超えましたと笑う日が来ても何ら不思議ではない。そうしてランチューバーの存在価値が高まっていけば応援してくれる人が増え、おのずと「やりたいこと」が実現していくだろう。
そのゴールを目指して、『ランニング食堂』は走り続ける。
(【前編を読む】箱根駅伝出身、現役選手…急増する“ラン系YouTuber”「収入は?」「どう撮影する?」人気ランチューバーに聞く へ)