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三笘がまさかの苦戦 “激戦すぎる”東京五輪メンバー「誰が生き残る?」「OA枠の最有力候補」を考えてみた
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2021/03/30 18:15
激戦の東京五輪メンバー。生き残るのは? OA枠は誰になるのか?
東京五輪「OA枠最有力」は誰か?
気になるOA枠だがアルゼンチン戦の2試合を見て、メダルを獲得するために強化が必要なポジションは、まずFWとボランチだ。ただ、力があれば、どんな選手でもOA枠として投入していいわけではない。ロンドン五輪で4位にチームを押し上げた吉田麻也の成功例を見てみると、やはり五輪を経験した年の近い選手の方がいい。年齢が極端に離れ過ぎたり、OA枠の選手の存在があまりにも大きすぎると、その選手に頼り、それまでチームとして戦えてきたものが変わってしまう可能性がある。
そうした観点で今回、ウィークを埋める選手を挙げるとすれば、FWは大迫勇也(ブレーメン)、南野拓実(サウサンプトン)がハマりそうだ。二人ともA代表で久保や堂安、冨安と共闘しているので、どちらが入ってもそれほど違和感なくチームに溶け込めるだろう。鈴木武蔵(ベールスホット)も候補として挙がってきそうだ。
ボランチは遠藤航(シュトゥットガルト)が入れば完璧だ。そして、もう一枠のポジションだが、個人的にはセンターバックに吉田麻也(サンプドリア)を入れ、冨安とA代表のコンビで戦うのがベストではないかと思う。
短期決戦は守備力がモノをいう。
近年、4位と一番結果を出したロンドン五輪の時は、グループリーグのスペイン戦、モロッコ戦、ホンジュラス戦、さらに準々決勝のエジプト戦まで4試合連続で完封し、勝ち上がっていった。東京五輪はホームだが、勝つために求められるのは強固な守備力。そのために吉田を入れ、冨安、遠藤のA代表トライアングルで臨めれば、守備の不安の多くは解消されることになる。勝利、メダル獲得を優先するなら積極的に考えるべきプランだ。
五輪世代「OA枠は必要ない」と言える活躍を見せられるか?
次の活動は6月になるが、そこでの2試合が最終選考の場になる。それまでにU-24代表の選手は、リーグ戦で「OA枠は必要ない」と胸を張っていえるだけの内容と結果を見せられるだろうか。
北京五輪はOA枠なしで挑み、グループリーグで敗退したが、その世代からは本田圭佑、岡崎慎司、内田篤人、長友佑都、香川真司ら、その後の日本を背負う選手が生まれた。長い目でみれば、その方が日本サッカー界にとってはプラスになる。今回、招集された選手はさらに成長し、招集されていない選手は土俵際でうっちゃるぐらいの活躍を見せて、森保監督を大いに悩ませてほしい。
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