SBは原が一歩リード？　ほぼ内定・冨安の相方は…

　サイドバックは、初戦は右に菅原由勢（AZ）、左に旗手怜央（川崎）、2戦目は左に原輝綺（清水）、右に古賀太陽（柏）が入った。原は守備では粘り強く対応し、攻撃面でも積極的に前線に絡み、上々の出来だった。他にもサイドバックには橋岡大樹（シント・トロイデン）、岩田智輝（横浜FM）、中村帆高（FC東京）らがいる。3名しか生き残れないので左右両方できるのはもちろん、他ポジションができることもプラスに働くが、その器用さでいうと原は重宝する選手になりそうだ。

　センターバックも同世代での競争が激しい。アルゼンチン戦の初戦でコンビを組んだ板倉と渡辺剛（FC東京）はまずまずだったし、2戦目の瀬古歩夢（セレッソ大阪）、町田浩樹（鹿島）は非常に安定していた。ただ、センターバックの柱はA代表でレギュラーの冨安健洋（ボローニャ）である。誰が彼のパートナーの座を射止めるのか。板倉はボランチもできるので有力だが、センターバックは、最終選考に向けてかなりハイレベルな争いになっていくだろう。

　GKは、初戦の大迫敬介（広島）、2戦目の谷晃生（湘南）ともに安定していた。シドニー五輪、アテネ五輪ではGKにOA枠が使用されていたが、東京五輪は必要なさそうだ。2席を巡ってアルゼンチン戦に出場した二人に加え、沖悠哉（鹿島）、波多野豪（FC東京）らが絡み、競争は最後までつづくだろう。

他のポジションもできる原輝綺がSB枠で一歩リードか？　©Getty Images

当確者なしの「FW」でOA枠を使うのか？

　物足りなかったのは、FWだ。

　今回のFW登録は林大地（鳥栖）、田川亨介（FC東京）、食野亮太郎（リオ・アヴェ）のみ。初戦、田川は、高さと体の強さを活かしてプレーしていたが、アピールできたとは言えず、食野はゲームの中に入り切れず、消化不良に終わった。2戦目は林がトップに入り、瀬古の縦パスを裏に抜けて決め、存在感を示した。FWの候補選手は、前田大然（横浜FM）、上田綺世（鹿島）、小川航基（磐田）、宮代大聖（徳島）、一美和成（ガンバ大阪）、中村敬斗（FCジュニアーズ）らがいるが、林を含めて、まだ誰も当確とは言えない。

食野亮太郎（左）と田川亨介（右）　©JMPA

　FWは決定力と同時に旬の活きの良さが求められる。FWは今後、各チームでゴールという結果を出し、調子の良さをしっかりとアピールしていけるかどうかも重要な選考ポイントになりそうだ。

　そう考えると、おそらくFWにはOA枠の選手が入ってくる。つまり残りの枠は「3名」。ただ、今回4バックで戦ったように、このまま4-2-3-1でいけば、FWは4名ではなく3名にして、MFに1枠を回す可能性も出てくるだろう。

【次ページ】　東京五輪「OA枠最有力」は誰か？