サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
Jユースから高校への“移籍”で変身。
鈴木冬一がU-20W杯で証明する成長。
posted2019/06/04 07:00
text by
松尾祐希Yuki Matsuo
photograph by
Getty Images
鈴木冬一、19歳。燻っていたかつての姿はない――。
屈託のない笑顔を見せ、どこへ行っても直ぐに誰とでも打ち解ける。だから仲間たちに愛される。昨冬に出場した高校サッカー選手権に、世代別代表やセレッソ大阪の下部組織で苦楽を共にした瀬古歩夢らが観戦に訪れたのも、そのためだ。
人懐っこい性格は今も昔も変わらない。しかし、プレーは見違えるほど、逞しくなった。
誰よりもチームのために走り、球際では恐れることなく自分より大きな相手に立ち向かう。チャンスと見れば、躊躇しない。攻め上がって得意の左足からチャンスを演出する。
メキシコ戦では相手エースを封印。
今季、鈴木は長崎総科大附高から湘南ベルマーレへ加わり、3-4-2-1のシャドーや左右のウイングバックで出場機会を掴んだ。
高卒ルーキーながらすでにJ1の舞台で9試合に出場。ルヴァンカップではプロ初ゴールも奪った。
活躍はU-20日本代表スタッフの目に止まる。3月下旬のヨーロッパ遠征では、追加招集ながらも影山雅永監督にアピール。U-20W杯のメンバー入りを果たした。
今大会グループリーグ初戦のエクアドル戦は出場機会を得られなかったものの、2戦目のメキシコ戦は左サイドバックで先発出場。マッチアップした注目のディエゴ・ライネス(ベティス)と対等に渡り合い、チームの勝利に貢献した。
「試合前に映像で彼の特徴を見ていました。左利きの選手なので、左足で持つのが好き。自分自身も左利きなので、そこは相手の特徴も見据えてゲーム中に対応ができました」
湘南で結果を残した男は、今回のU-20W杯でも与えられたタスクを確実に遂行している。2年前の状況を思い返せば、目覚ましい成長と言える。