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巨人「PCR検査センター」を沖縄に設置 セ他球団との危機意識の違いを見ると…DH制も導入した方がいい!? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2021/01/31 11:01

巨人「PCR検査センター」を沖縄に設置 セ他球団との危機意識の違いを見ると…DH制も導入した方がいい!?<Number Web> photograph by Sankei Shinbun

昨年、那覇キャンプを終え、手締めを行う巨人・坂本勇人(中央)。今年は全員がPCR検査を受けて臨む

選手の負担軽減のためにDH制導入はマイナスはない?

 DH制が果たして選手のケガ予防にどれくらいメリットがあるのかは、定かなエビデンスはない。ただ、昨年は3月半ばでオープン戦を中止し、6月19日開幕という変則的なシーズンとなったことで、開幕直後から筋肉系の故障者が多かったことは多くの関係者が指摘していた部分だ。

 メジャーリーグでは昨年、コロナ禍による特別ルールとしてナ・リーグもDH制を採用された。選手の負担軽減の1つの方法として、DH制は取り入れてもマイナスはないはずなのだ。

 1月19日の理事会では、巨人側から開幕戦から1クールだけの導入など、かなり柔軟な提案もあった。しかしその一方で他球団からは「緊急事態宣言がいつ解除されるか分からない中で、この議論、ましてや結論は迅速」という意見もあったという。要は事態が好転する可能性もあるので、まだまだ様子を見るべきではないかということだ。

開幕時の選手に影響を及ぼす可能性が高いが……

 そこには現実は少なくともキャンプが従来通りに行われることはないということ。また結果的にはそれが開幕時の選手のコンディショニングに影響を及ぼす可能性が高いという視点が欠けている。

 何より4月までに感染拡大が劇的に好転するというのは、あまりに楽観的すぎるのではないのかと呆れるばかりだ。

「今後不測の事態はあり得るので、そのときに再度、色々な角度から検討するのはあり得る」

 こう説明したのは理事会の議長を務めた阪神・谷本修球団副社長兼本部長だった。感染拡大の第4波が来てからでは遅いし、選手に故障者が出てからでも遅い。危機意識の欠如、選手を守ることより、制度導入による経費の問題の方が重いのかと勘ぐりたくなるような、腰の重さに呆れるばかりである。

 座して事態の推移を見守るばかりのセ・リーグ5球団と積極的にコロナ禍への対応を求め、動く巨人との対立構造は、根本的なコロナ禍への危機意識の差としか言いようがない。

 巨人単独での沖縄PCR検査センター設置は、その象徴的な出来事だった。

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