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巨人「PCR検査センター」を沖縄に設置 セ他球団との危機意識の違いを見ると…DH制も導入した方がいい!?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph bySankei Shinbun
posted2021/01/31 11:01
昨年、那覇キャンプを終え、手締めを行う巨人・坂本勇人(中央)。今年は全員がPCR検査を受けて臨む
他球団やJリーグのクラブ、地元企業も対象に
その意味で今年、巨人がキャンプスタートに先立つ1月29日に、沖縄に設置したPCR検査センターには大きな意義があったはずである。
那覇市内に開設されたセンターは沖縄県内でキャンプを行う巨人、中日、阪神、DeNA、ヤクルト、ロッテ、楽天、日本ハム、オリックスの9球団の報道関係者、評論家や関係者のほか、現地で同じくキャンプを行うサッカーJ1、J2の19クラブ、さらにキャンプ地のホテルやバス会社など関連産業の団体など広範囲な人々が対象となる。
また沖縄県内で2月以降も大学、社会人野球やアマチュアスポーツの各種競技団体が合宿、練習を行う計画をしていることから、キャンプ終了後も4月30日までの開業を決めている。プロ野球キャンプだけでなく、沖縄での安全なスポーツ振興へのバックアップ体制を整えることにもつながるはずだ。
92日間で最大4万6000件の検査ができる
センターの設立、維持は都内ですでに新橋、新宿に「新型コロナPCR検査センター」を開設している木下グループが全面サポート。土、日も休まず午前10時から午後7時まで開いて、1日あたり500件、92日間の開業期間で最大4万6000件の検査ができる計算となる。
沖縄の新型コロナウイルス新規感染者数は1月27日に過去2番目に多い131人を記録するなど、増減を繰り返しながらも、依然として収束の見込みは立っていない。1月19日には県独自の緊急事態宣言が発令されており、2月7日以降も継続の可能性が強いと言われている。
その中にキャンプでプロ野球関係者が大挙して訪れることになるわけだ。もちろん地元に危惧がないわけではない。それでも最終的に受け入れを決めてくれた沖縄県に対して、キャンプを張る側の球団として何ができるのか。そこはそれぞれの球団が問われるべきことだったはずである。