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オシムも認めた前田遼一の才 中山雅史、高原直泰のエッセンスを受け継いだ“デスゴール”
posted2021/01/17 17:01
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
J.LEAGUE
雑誌「Sports Graphic Number」と「NumberWeb」に掲載された記事のなかから、トップアスリートや指導者たちの「名言」を紹介します。今回は、先日現役引退を発表した前田遼一らジュビロ磐田を支えたストライカーによる3つの言葉をご紹介します。
<名言1>
褒め言葉は自分をだめにするから好きではない。
(中山雅史/Number798号 2012年2月23日発売)
2015年に現役復帰し、J3アスルクラロ沼津で選手登録されていた中山は、この1月に沼津を退団してジュビロ磐田のコーチに就任することを発表した。トレーニングを続けながらも沼津U-18のコーチを経験し、昨年には現役Jリーガーとして初のS級コーチライセンスを取得済み。J2に甘んじる古巣にどんな影響をもたらすか早くも注目が集まっている。
中山といえば、ギネスブックに認定された4試合連続ハットトリックや日本代表として初めてW杯でゴールを挙げるなど、記録にも記憶にも残るゴールを量産してきた“炎のストライカー”である。ともに磐田で黄金時代を築いた司令塔・名波浩はその凄さを過去の取材でこう語っている。
「どんなに点を入れてもゴンちゃんは『いいボールが来たから』としか言わなかった。もし奢っていたら、きっとあれほどボールは集まらなかったと思う」
準備を怠らず、どんなボールにも体を張って反応する。そんな中山のストライカーとしての能力は、プレーを見れば誰もが理解するところ。後に続いた高原直泰、前田遼一らにも大きな影響を与えた。
現在、磐田には五輪世代の小川航基、下部組織出身の三木直土ら奮起が期待されるストライカーが揃う。J1昇格に向けて、点取り屋の出現は必須。中山のイズムが“ジュビロ復活”のキーワードになることは間違いなさそうだ。