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【J去就ウラ話】過密日程でトライアウト人数不足 高額選手の契約満了、新卒&新外国人合流も悩みの種なワケ
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2020/12/30 11:02
JPFAトライアウトに臨んだ本田拓也。異例のシーズンはオフの移籍市場にも大きく影響を及ぼしている
「例年、狙いを定める選手は他と競合するだろうグループ(早い組)と、じっくり見ていきたいグループ(遅い組)があります。今年は獲得したい選手が早い組に多かったのが幸いしました。まだコロナが蔓延していないプレシーズンのキャンプに呼び、そこで判断を下すことができましたので。シーズン中、遅い組の選手を練習参加させるのは感染予防の点から慎重にならざるを得ませんでした」
外国人の新規入国停止も編成に影響必至
甲府は、法政大からMF長谷川元希、明治大からDF須貝英大、産業能率大からDF野澤陸の来季加入内定を発表済み。目下、森スカウトは遅い組を精査しており、追加がある模様である。
「今年はさまざまな大会が中止となり、高体連の選手をまったく見られませんでした。いつもは地域予選のベスト8にあまり目にしない高校が勝ち上がっていたら見にいき、そこで興味深い選手を発見することがよくあったんです。その選手が大学進学後、追跡調査をしていく流れだったんですが、それはひとまず断絶してしまいましたね」
このように、少なくない才能が見落とされる結果となるのは不運としか言いようがない。目に見えない損失は後々まで尾を引くだろう。
依然として終息の気配を見せないコロナによる混乱は続く。来年1月末まで、全世界から外国人の新規入国が停止されたのもチーム編成に影響を及ぼすに違いない。だが、歩みを止めるわけにはいかず、選手、監督、クラブ関係者はあらゆる困難を乗り越え、新たなシーズンへと向かっていく。