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【J去就ウラ話】過密日程でトライアウト人数不足 高額選手の契約満了、新卒&新外国人合流も悩みの種なワケ
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byTetsuro Kaieda
posted2020/12/30 11:02
JPFAトライアウトに臨んだ本田拓也。異例のシーズンはオフの移籍市場にも大きく影響を及ぼしている
「まずは厳しい日程を戦った選手たちのことを考え、4週間はしっかり休もうと始動は1月18日を予定しています。今年特有の傾向としては、実績があり高額の選手の契約満了が目につきますね。まだ充分戦力になるだろうに、このタイミングでアウトなのかと。そこはコロナがクラブの財政面に与えた影響を感じます。うちの場合、資金的に違約金を払ってまで選手を獲得できないので、トライアウトのような場で選手を広く見ておくことが必要になる」
今季、琉球は16位。活躍の目立った選手は、J1、あるいはJ2上位から引き抜かれるのが常だ。
「これから各クラブの補強の動きがより活発になっていき、どの選手に声がかかるかわからない。いざというとき速やかに手当てができるように、候補選手のリストは厚いに越したことはありません」
J2水戸の「補強対象は全ポジション」
一方、J2・水戸ホーリーホックの秋葉忠宏監督はこう語る。
「今季はレンタルで加入した選手が9人もいて、現状、来季のチーム編成はまだ半分といったところです。補強対象は全ポジションですよ。穴ボコだらけですから」
今季、水戸は9位。2年連続で1桁順位となり、68得点は堂々リーグトップの数字である。伝統的に堅い守備をベースにしぶとく戦うのがチームカラーだったが、ここにきて大きく転換を図っている。
「点はたくさん取れましたが、攻撃に比重を傾けた分、失点も多かった。守備を少し意識させようとすると、今度はなかなか前に出られなくなる。そのあたりの攻守のバランスを取るのがじつに難しいですね。西村(卓朗)GMと話し合いながら補強を進めており、集まった選手の顔ぶれ見て、それに合った戦い方を選択するつもりです」
中田英寿、伊東純也らを発掘したスカウトに聞くと
コロナ禍における新卒選手の獲得という観点ではどうか。古くはベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)で中田英寿の獲得に携わり、のちに日本代表に加わる伊東純也(KRCヘンク)、佐々木翔(サンフレッチェ広島)らのタレントを発掘した、J2・ヴァンフォーレ甲府の森淳スカウトに訊いた。