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<取材記者の本音>正直ガッカリのプロ野球トライアウト…キラリ光った楽天戦力外の“フルスイング”外野手とは?

posted2020/12/11 17:15

 
<取材記者の本音>正直ガッカリのプロ野球トライアウト…キラリ光った楽天戦力外の“フルスイング”外野手とは?<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

12球団合同トライアウトを盛り上げた新庄剛志さん(48)

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Nanae Suzuki

 “流しのブルペンキャッチャー”として全国各地、数多くのアマチュア選手を取材してきた筆者。ドラフト候補を長年にわたって“発掘”してきた目に「プロ野球トライアウト2020」はどう映ったのか――?

 長い間、野球に関わる仕事をしていて、「プロ野球トライアウト」を見たのは、じつは初めてになる。 

 今季で自由契約になった選手たちが、次のステージを目指して、12球団関係者の前で実力を披露する。つまり、「オーディション」である。

 エントリーしている選手たちのプロフィールが一覧表になったものが、取材者に渡されるのだが、その中に「アピールポイント」という項目があり、「速球のスピードを見てほしい」「広角に打てるバットコントロール」とか、具体的に書いてある。

 本人のコメントなのか、球団が作ったものなのか……ファームが主な働き場だった選手が多く参加しているので、とても助かる。

どうしたわけか、みんな大人しい

「思いきりのいいスイング」をアピールしている選手が、バックネットに向かってティーバッティングを繰り返している。なのに、自慢のはずのスイングに“勢い”がないのは、どうしたわけか。なんとも勿体ない。

 見せたいはずの12球団関係者が、選手たちとちょうど向き合う真っ正面にいるのだから、これ以上のアピールの場はないはず。

 私が選手なら、3連打、5連打のティーバッティングを披露して、「これでどうだ!」とアピールしようと思うだろうが、どうしたわけか、みんな大人しい。

 1人の投手が3人の打者と対戦する形のシートバッティングが、静かに進行していく。

【次ページ】 なぜ「ファーストストライク」を狙わないのか…

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