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早稲田ア式蹴球部監督に聞いた 大学スポーツ統括団体「UNIVAS」に慶応、明治が未加盟なのはどう思うか? 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byToshiya Kondo

posted2020/12/20 11:02

 早稲田ア式蹴球部監督に聞いた 大学スポーツ統括団体「UNIVAS」に慶応、明治が未加盟なのはどう思うか?<Number Web> photograph by Toshiya Kondo

元Jリーガー、元電通マンで現役テレビマンでもある外池大亮早稲田大学ア式蹴球部監督

各大学の個性を消すことなく、いかにつながるか

「今、UNIVASがやっていることを客観的に伝えて、あとは視聴者の方がどう思うか。繰り返しになりますけど、1つ1つのアクションはいいことをやっているとは思います。それを事業的なボリュームを上げていって、いろんな大学がもっと魅力を感じるようになれば存在意義が出てくるとは思います。早稲田も加盟していますし、もちろん期待感はあります。『レゾンデートル』を制作する立場からすれば、継続して見ていきたいという思いはあります」

 大学スポーツに変革をもたらす組織として立ち上がったのがUNIVASである。しかしながら変革に踏み出しているのは大学もまた同じ。大学自体もアクションを起こし、早稲田ア式蹴球部のように学生がより主体的に取り組めるようサポートする動きも強まってきている。

 UNIVASは学生の意識から変えていこうとするボトムアップと同時に、学長懇談会の開催などトップへのアプローチも行なっている。「束ねる組織」ではなく、「大学間をつなげていく組織」として存在感を発揮していくことを目指しているようにも見えてくる。

 利点を、魅力を、学生サイドに、大学サイドにどう感じてもらえるか。それぞれの大学の個性を消すことなく、いかにつなげることができるのか。

 元々、大学スポーツは課外活動のなかから発展してきた背景もある。それこそ学生の自主性に委ねてきた気風は残るものの、大学が限定的な関与ではなく、積極的な関与で自主性を促進させていくという時代に入ったと言える。OBの競技愛や母校愛だけで回していける時代ではなくなってきた。

「NCAAと日本では大学スポーツに対する捉え方が全然違います」

 NCAA化でなく、あくまでNCAAを参考にした日本流の大学スポーツ改革。

 池田敦司専務理事はこのように語っている。

「僕が務めている仙台大学の野球部の部員は200人以上います。これは競技の一例ですけど、日本の場合は部員のみなさんがいっぱいいますよね。逆にNCAAに加盟する大学の部員は、日本のように多くいません。バスケットやアメフトなどはプロ予備軍と言っていいし、学費免除があったり、生活費支給があったりするわけです。授業に出られない場合は先生が遠征先までやってくる。NCAAと日本では大学スポーツに対する捉え方が全然違います。我々UNIVASとしては学生アスリートが、安全に充実感を持って笑顔でプレーできるように、強豪もそうでないところも、レギュラー選手もレギュラーに向けて頑張っている選手も、大学スポーツに関わる学生も、みんなにとっていい環境を確保していくことが役目だと考えています」

 外池が携わる大学スポーツ番組のタイトル「レゾンデートル」とは、フランス語で「存在意義」を意味する。まさにUNIVASは必要とされるためにも、自らの存在意義を示していかなければならない。

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