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早稲田ア式蹴球部監督に聞いた 大学スポーツ統括団体「UNIVAS」に慶応、明治が未加盟なのはどう思うか?
posted2020/12/20 11:02
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Toshiya Kondo
設立されたUNIVASが大学スポーツ改革に動く一方で、学生の主体的な取り組みを推し進めて結果も得ている運動部もある。
その1つが元Jリーガー、元電通マン、現役テレビマンの外池大亮が監督を務める早稲田大学ア式蹴球部だ。関東大学2部から1部に復帰するタイミングとなった2018年シーズンに監督となり、1年目でいきなり優勝に導いた。昨季こそ残留争いの苦しいシーズンとなったが、今季は明治大学と激しい優勝争いを演じた。
“キミたちはどう考えているんだ?”の姿勢が第一
もっと学生が主体になっていく組織に――。
改革は部訓の「WASEDA the 1st」を見直すところから始めている。学生たちに新ビジョン「日本をリードする存在になる」を決めさせ、何ごとも“キミたちはどう考えているんだ?”と問う姿勢を第一にする。
試合を分析するのも学生が担当し、ビジネスの世界で活躍するア式蹴球部時代の同期を聞き慣れないマネジメントコーチなる役職で引き込んでマネージャーや学連担当など裏方の仕事の評価や相談窓口とした。
部のマスコットキャラクター「アルフ」も部員発信によって生まれたもの。「全部員活躍社会」を目指した施策によって、部員たちのヤル気を促している。SNSでも積極的に自分の考えを発信して、部員たちが自らの意思で監督のフォロワーになっている点も興味深い。
外池はア式蹴球部のみならず、早稲田のみならず、1人の指導者として「大学の運動部とはどうあるべきか」をずっと考えてきた。スカパーJSATグループ社員でもあり、スカパー!の大学スポーツ応援番組「レゾンデートル2020」の制作にも深く携わっている。ここではUNIVASの活動もリポートしている。
大学スポーツを中で動かし、かつ番組制作を通じて外からも見ている貴重な立場。外池の目からUNIVASはどのように見えているのか――。