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<箱根駅伝>青学大の“門限は10時” 神林主将が明かす「“笑顔でキラキラ”だけじゃ今の箱根は勝てないです」
text by
涌井健策(Number編集部)Kensaku Wakui
photograph byShunsuke Mizukami
posted2020/12/18 17:03
(左から)青学大のエース吉田圭太、ルーキー佐藤一世、原晋監督、そして神林勇太主将
神林 この4年間でチームとしてはさらに強くなったと思います。部の根本的な部分は変わっていないんですが、おそらく他大学がうちのやり方に近づいてきているからこそ、監督が新しいこと、新しいことにチャレンジしようとしているので。それと、「泥臭さ」は加わったかもしれません。
「キラキラ」とは反対のキーワードですね
――入学前の「キラキラ」とは反対のキーワードですね。
神林 2019年、東海大に負けたときの復路がそのきっかけだと思います。あの年、僕は2年でしたが絶対に勝てるというチームでした。選手の実力的には最強だったはずなのに、勝てなかった。
それでも、往路で大差がついていて、優勝が絶望的になった復路で選手たちがすごく粘り強い走りをしました。3人が区間賞で、2人が区間2位。誰もあきらめずに前を追って、ある意味で「青学らしくないレース」だっと思うんです。1年生だった飯田(貴之)も8区で執念の走りをしていて、「1年生であんな走りができるんだ」という思いと、「1年生にあんな走りをさせてしまった」という思いもあった。
あれ以降、「周りにはキラキラしているように見えるかもしれないけど、うちが一番厳しいことをやっているよね」というのが、チームの前面に出てきた。昨季も周囲からも監督からも「弱い、弱い」と言われ続けて、出雲や全日本でもうまくいかなくて、それでも最後に箱根でああいう勝ち方ができた。「泥臭いところがうちの強み」というのに磨きがかかったと思います。
――他大学の選手が「青学みたいに泥臭く」っていう話をするようになりました。
神林 もう「笑顔でキラキラ」だけじゃ勝てないんですよね。他の大学も「もう青学に勝たせるわけにはいかない」って思ってやっている。たぶん、ウチ以上に厳しい練習をやっているからこそ、より泥臭くやっていかないと勝てない。
今季、駅伝シーズンに入る前、今年もウチが強いはずだと自信を持ってたんです。これまでのタフさに加えて、トラックでのスピードもついてきた「鬼に金棒」なのかなと思っていた。でも他の大学は考えていたより数倍強くて、「あれっ」って驚きました。だからこそ、全日本の後の11月、12月はみんなさらに火がついて、しっかりと走っていますよ。