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佐久長聖高校「大迫傑を超えて行け」~東海大監督・両角速の原点~

posted2020/12/20 07:00

 
佐久長聖高校「大迫傑を超えて行け」~東海大監督・両角速の原点~<Number Web> photograph by Asami Enomoto

学校の近くにある1周600mのクロスカントリーコース。選手たちはここで日々鍛えられている

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Asami Enomoto

全国屈指の駅伝強豪校として知られる高校は、現在に至るまで数多くの名選手を輩出してきた。名物クロスカントリーコースにきめ細やかな指導、そして名将の教え。“長聖”の強さの理由を探る。

「がんばっていきましょ――!」

「は――い!」

 佐久長聖高校のクロカンコース、浅間山を背に黙々と走る駅伝部の選手の声が響く。声を出すのは、3年生の日替わりリーダーで、語尾を伸ばすのは佐久長聖独特のものだ。1周約600mの土のクロカンコースは毎朝、高見澤勝監督と市村一訓コーチが車でタイヤを引いて均す。石や凹凸がなく、きれいに整備されている。日々、ここで走ることで心肺や筋肉が鍛えられ、バランス良い走りを実現することができる。

 このクロカンコースは、1996年、両角速(現東海大学長距離・駅伝監督)が“長聖”の駅伝部監督に就任して2年目、自ら重機を使い、生徒と石を拾い、雑草刈をしながら作り上げたコースだ。今や長野県はもちろん、全国でも有数の駅伝強豪校として名を馳せる佐久長聖の原点ともいえる場所だ。

 名門チームに受け継がれている「両角イズム」と呼ばれる伝統、そして23年連続23回目の長野県高校駅伝優勝、都大路(全国高校駅伝)2回制覇を誇る強さ。さらに、卒業後も第一線で活躍する大迫傑らを輩出する育成力。その源泉を探った。

「人間的な成長なくして、競技力の向上なし」

 両角の言葉は、今も2人の教え子に受け継がれている。佐久長聖駅伝部の高見澤、立教大学駅伝監督の上野裕一郎である。高見澤は、両角が就任4年目に初めて県大会で優勝し、都大路で4位入賞を果たした時の出走メンバーである。上野は、高見澤の4期下にあたり、その後、日本選手権で1500m、5000mで優勝するなど日本のトップランナーに成長した。

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