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遠藤航がブンデス“1対1最多勝男”に 元ドイツ代表DFが語る「ツバイカンプフ」名人への極意
posted2020/12/11 11:01
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
ドイツサッカーにおいて「ツバイカンプフ能力」は選手を評価するうえで避けては通れない。直訳すれば「1対1での戦い」となるわけだが、サッカーでは「1対1におけるボールの奪い合い」と解釈される。ブンデスリーガでも毎試合ツバイカンプフの回数、頻度、勝率がデータとして出され、それをもとに評論されることが一般的なほどである。
そんなブンデスリーガの10節終了時でツバイカンプフにおける勝ち数でトップを走っているのが、シュツットガルトでプレーする日本代表MF遠藤航だ。11月26日にはクラブとの契約を24年まで延長。SDスベン・ミスリンタートは「我々のボディーガードだ」と遠藤を称し、絶対の信頼を寄せる。
チーム内における存在感は絶大だ。
今季はここまでチーム内ではフィールドプレーヤーとして唯一全試合でフル出場を果たしている。大柄な選手相手に一歩も引かず、時に激しく、時にクレバーにいなして、ボールを支配下に置いていく。相手チームからしたら「ここを突破したらチャンスになる!」という局面の多くに現れ、ボールを奪われたり、跳ね返されるのだからたまったものではない。
そもそもツバイカンプフに必要な能力って?
では、そもそもツバイカンプフに要求される要素とは何か? どんな能力が必要なのだろうか?
そのあたりを掘り下げて考えることで、遠藤のプレーのどこが具体的に優れているのかがより見えてくるはず――そう思い、筆者の指導者仲間であり、現在はフォルトゥナ・デュッセルドルフのセカンドチームでコーチを務める元ドイツ代表DFルーカス・シンキビッツにツバイカンプフについて色々と尋ねてみた(なお今回は攻撃アクションやほかの要素には言及していないことをご了承いただきたい)。
統計を見るときに大事なのは、その数字に惑わされないようにすること。いつ、どこで、どのようなプレーをしたかを念頭に置いたうえで数字を見ないと、有効なプレーだったかどうかを分析することができない。