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【巨人連覇・強さの根源】増田大輝の投手起用は確信犯 原辰徳監督「いつも最初は笑われる」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/11/01 08:01
8月6日の阪神戦、8回1死からマウンドに上がった巨人・増田大輝。1四球は与えたものの無安打無失点の力投を見せた。
批判は覚悟で増田をマウンドに送る。
ただ「巨人軍は捨て試合を作らないのが伝統だ」と訳知り顔で語るのは、的外れではないだろうか。
近代野球の勝負のカギを握るのは中継ぎ陣で、だからこそリリーバーの消耗は激しい。
それでも「捨て試合」と見せないために11点差のついたあの場面で、さらにもう1人、投手を投入することが最善手なのか。そう考える監督は恐らくいないし、そんな監督がいたとしたらむしろその方が絶望的でもある。
だとするとあのケースで選択肢は堀岡の続投しかなくなる。しかしそれもまた「捨て試合」ということではないのだろうか。
しかもあの状態で堀岡を続投させるというなら、若い投手を1人“潰す”可能性すら考えなければならないはずだ。
ならば批判は覚悟で増田をマウンドに送る。
行き当たりばったりの起用ではなかった。
そしてここで大事なのは行き当たりばったりの起用ではなかったことである。巨人ではこういうケースに備えて以前から増田を含めた何人かの野手に、展開次第では投手として起用する可能性を伝えて準備をさせていた。
確信犯での増田の投手起用だったことに意味がある。
「いつも最初は批判されて笑われる。それでもいつの間にか、他のチームも同じようなことをやるようになるんだよ。我々の最大のミッションは勝つこと、優勝することだから、そのためには常識に囚われずにどんどん思い切ったことをやっていくよ」
批判は大いに結構。しかし批判を気にしていたら、新しいことには絶対に踏み込めない。
そんな原監督の信念を見た、増田の投手起用だった。
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