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【巨人連覇・強さの根源】増田大輝の投手起用は確信犯 原辰徳監督「いつも最初は笑われる」
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKYODO
posted2020/11/01 08:01
8月6日の阪神戦、8回1死からマウンドに上がった巨人・増田大輝。1四球は与えたものの無安打無失点の力投を見せた。
多くの監督は堀岡を野晒しにして何とか耐える?
4点を追いかける展開の8回裏。何とか堀岡でこの回を凌いで、9回の攻撃にという場面だったが、あっという間に堀岡が大炎上してしまった。
この時点でブルペンに残っていたのは大竹寛、鍵谷陽平、中川皓太、大江竜聖の4人でいずれも接戦の中継ぎや勝ちゲームに登板する投手たちで、11点差での登板は想定外だった。
選択肢としてはそれでもムリしてこの中の誰かをマウンドに送り出すか、堀岡を続投させるかで、多くの監督は堀岡を野晒しにして何とか耐えるという選択をするところなのかもしれない。
その中で原監督が選択したのは、野手の投手起用という日本では常識外の選手起用だったのである。
過去には西武のデストラーデ内野手が登板。
公式戦で野手がマウンドに上がるケースは日本では少ない。
過去には西武のオレステス・デストラーデ内野手が同じような敗戦処理の場面で登板したケースなどがあるが、多くのファンが記憶するのは1996年のオールスター戦でのイチローの登板だ。
当時のパ・リーグの仰木彬監督が巨人・松井秀喜外野手の打席にイチローを投手として登板させると、セ・リーグの野村克也監督は代打に高津臣吾投手を送った。
「名監督と言われる人が人の痛みを解らんようでは困る」
このときのノムさんの言葉だ。
要は投手でもないイチローに凡打に打ち取られたら松井が傷つく。いくらお祭りの場でも相手打者に失礼、余興が過ぎるのではないか、というのが野村監督の考えだったわけだ。
ましてやオールスター戦ではなく公式戦で野手を登板させることは、日本の野球界ではよろしくない行為という考えが広くある。
だから増田の登板は相手チームやファンに失礼だ、と物議を醸す訳である。