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クラファン、ふるさと納税にリモートハイタッチ! コロナ禍でもフェンシングは前へ!
 

text by

太田雄貴

太田雄貴Yuki Ota

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photograph byJapan Fencing Federation

posted2020/11/01 17:00

クラファン、ふるさと納税にリモートハイタッチ! コロナ禍でもフェンシングは前へ!<Number Web> photograph by Japan Fencing Federation

全日本選手権のオープニングアクトではダンスを取り入れていた

フェンシングの疑似試合の配信

「アスリート・フューチャー・ファースト」を掲げている私たち協会としては、ひとつでも多く試合の場を用意できるよう、奔走していきたい。一方で、そうは言っても、試合の数はどうしても制限されてしまいます。まだ自由に来日ができない海外の強豪選手との対戦機会も、なかなか作れない。12月に愛知県開催が予定されていた高円宮杯ワールドカップをはじめ、ジュニアカテゴリーも含めて数多くの大会が中止を余儀なくされています。

 となれば、競技団体としては、試合以外の競技の価値を一刻も早く作っていかなければなりません。原則として、競技団体がその競技以外のことをやることはできませんから、私たちとしてはあくまでフェンシングという競技の枠において、試合以外の価値をアピールしなくてはいけないわけです。

 これは、非常に難しい。

 たとえば、「アスリートが指南するトレーニング動画」といったものは、スポーツ界を見回してもだいたい出そろった状況です。

 この延長線上に新しい価値を作ることが果たしてできるのか……。あくまでもアイデアベースではありますが、可能性としてありそうなのは、トレーニングから一歩進んだ形での、「フェンシングの疑似試合の配信」です。見られていることで、練習の質は格段に上がりますし、ファンの方にとってはアスリートへの新しいタッチポイントとしてご覧いただくこともできる。この枠組みの延長に、実際に交流する、というイベントも生まれてくると思います。もちろん未知数ではありますが、トライしてみる価値はある。

今はもう、「とにかくやるしかない」

 未来について、もちろんさまざまな課題はありますが、私はそう悲観的にはなっていません。

 2017年に協会の会長に就任して以降、現在の2期目も含めて、私たちはどんな状況下においてもずっと改革を進めてきた、という実感があるからです。

 組織としてのガバナンスも、将来的に私がいなくても大丈夫、というところまで進んできていると思っています。このことは決して派手なトピックスではありませんが、実はとても大事なことです。そして協会という組織が変わってこられたからこそ、今回のコロナ禍にも、フレキシブルに対応することができているのです。

 やはり、足を止めてはなりません。目の前のこと、ひとつひとつに、自分たちがベストだと思える取り組みをしつづけること。

 私自身、今はもう、「とにかくやるしかない」という気持ちでいるのです。

(構成・宮田文久)

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