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“NHLに最も近い男”が異例の契約?「日本のアイスホッケーを変える。誰かが行動しないと始まらない」

posted2020/10/22 20:00

 
“NHLに最も近い男”が異例の契約?「日本のアイスホッケーを変える。誰かが行動しないと始まらない」<Number Web> photograph by Yokohama GRITS

開幕戦で得点を挙げるなど新生チーム・横浜GRITSを牽引する平野裕志朗。11月下旬には再びアメリカへ渡る予定だ

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林遼平

林遼平Ryohei Hayashi

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Yokohama GRITS

 たった1つのきっかけによって人々の関心は大きく変わる。

 ラグビーのようにワールドカップという大きな舞台での躍進によって注目度を高める競技があれば、テニスの錦織圭やバスケットボールの八村塁のように、世界で戦えるアスリートの登場によって関心を持たれる場合だってある。メジャースポーツ、マイナースポーツに限らず、何かのきっかけによって人気に火がつく可能性を秘めたスポーツはたくさん存在する。

 リンク上で激しいぶつかり合いが見られることから「氷上の格闘技」と呼ばれるアイスホッケーもまた、耳目を集めるポテンシャルを持ったスポーツだと言えるだろう。

 今、そんなアイスホッケー界に新たな風が吹こうとしている。

世界最高峰NHLに最も近い男

 メジャーリーグやNBAなど、北米4大スポーツの1つに数えられるナショナルホッケーリーグ通称「NHL」に、GKを除いて日本人初のスケーターとしてリンクに立つことを夢見る日本人がいる。

 国内で「NHLに最も近い男」と称されている、平野裕志朗だ。

「国によってアイスホッケーに対する扱い方、どれだけ応援しているかは全然違うんです。アメリカでは、日本とは本当に別の競技のような感じです。それをどうにかして日本に伝えていかないと、日本のアイスホッケー界は変わらない。そう思いながら、今も海外でプレーしています」

 NHLは歴史や規模、サラリーに至るまで世界トップクラスの競技と言っていい。

 日本におけるプロ野球やJリーグの立ち位置だと考えればわかりやすい。小さい頃から馴染みがあり、国民のほとんどが大体のルールを把握している。誰もがスポーツの規模を理解していて、上にいけばいくほど高額の収入を得られる。そんな夢があるからこそ、子供たちの憧れの職業になる。

 日本とアメリカの差は明らかだ。日本は1つの試合に多くて2000人から3000人ほどの集客がやっと。しかし、NHLは一度に数万人のファン・サポーターが会場に押し寄せる。サラリーに関しても、国内には1000万円プレイヤーがいるかいないか程度と言われるが、NHLでは数千万以上を稼ぐ選手がほとんどだという。これらの数字を見ても、大きな違いがあるのがわかるはずだ。

【次ページ】 高校卒業後に北欧、アメリカへ

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