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箱根駅伝予選会「無観客」「コース変更」でどうなる……〈10位圏内〉を予想してみた
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJMPA
posted2020/10/16 17:01
ちなみに昨年の予選会、日本人トップは東京国際大の伊藤達彦で62分34秒だった。
今年はコースが異なるが、暑さが影響しなければ日本人のトップは61分台前半を狙えるだろう。全体を見ても昨年は65分以内が49名いたが、今年はもっと増えるのは間違いない。昨年1位の東京国際大は10時間47分29秒だったが、このタイムは一昨年の10位山梨学院大の10時間46分27秒よりも遅いタイムだった。昨年10位の中央大は10時間56分46秒だったが、これは2018年の予選会では18位相当の順位だ。これは気温が上昇したことで、全選手のペースを狂わせた結果だろう。今年はコンディションによるがコースを考えると、10時間45分あたりがボーダーラインになるのではないだろうか。
では、高速レースを制し、箱根駅伝出場の権利を得る大学はどこになるのか?
〈有力候補〉上位5位に入るのは……?
やはり有力なのは、中央学院大と中央大だろう。
昨年の箱根駅伝で10位の東洋大に2分差で敗れた中央学院大は、6年ぶりの予選会になるが、川崎勇二監督の下、昨年の東京国際大のように1位での予選突破を目指し、本大会ではシード権獲得を目標にしている。1区5位と快走した栗原啓吾(3年)ら本大会出走メンバーの5名に加え、力のある選手が多く、夏も順調に越えてきたと聞く。2週間後には全日本大学駅伝が控えているが、予選会に注力し、必ず上位に入ってくるだろう。
中央大は、1年生の吉居大和に引っ張られ、ムードはいい。吉居は7月のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会の5000mで、U-20(20歳未満)日本記録を15年ぶりに更新する13分28秒31を叩き出すと、日本学生対校選手権ではラスト1周を約56秒のスパートで制して優勝した。昨年の田沢廉(駒大)や岸本大紀(青学大)のような活躍が期待される大物ルーキーだ。その吉居に加え、本大会出走メンバー7名が残り、ハーフを64分内で走る選手が9名いる。選手層が厚い中央大は創部100周年の記念イヤーゆえに、相当の覚悟で予選に臨んでくるだろう。