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37年ぶり“超異例”場所 両横綱不在で「優勝本命」は大関朝乃山と“2人の関脇”か? 

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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posted2020/09/13 08:00

37年ぶり“超異例”場所 両横綱不在で「優勝本命」は大関朝乃山と“2人の関脇”か?<Number Web> photograph by Kyodo News

先場所、立ち合い前に気合を入れる朝乃山

 今年1月場所も最後まで賜盃の可能性があった正代は翌3月場所で三役として初の勝ち越しを果たすと以後、関脇の座をキープ。取り口に安定感が出てきた。以前はネガティブ発言が何かと話題となったり、顔を張られると戦意を喪失するような場面もあったが、昨今は相撲ぶりに厳しさが加わってきた。圧巻だったのは先場所の照ノ富士戦。圧力勝ちした立ち合いから終始、主導権を渡すことなく寄り切る会心の一番だったが、相撲内容もさることながら気迫が前面に現れる姿は以前まで見られなかったものだ。三役で一定の実績を残すようになり自信が芽生えてきたのかもしれず、初賜盃へ着実に前進していることをうかがわせる。

 三役を17場所連続で維持し、その間に優勝2回と実績は十分の御嶽海だが、三役での連続2桁勝ち星はまだない。先場所は初日から全勝の朝乃山に土をつけたり白鵬戦では土俵際で逆転勝ちを収める一方、勝てば優勝決定巴戦に持ち込めた千秋楽の照ノ富士戦であっけなく俵を割るなど、実力は誰もが認めるところだが好不調の波が激しい面もあり、万全な体調と集中力をコンスタントに維持できるかが大きなポイントとなってくる。

照ノ富士の”復活ドラマ”は続くか

 前頭筆頭に躍進した照ノ富士にも大きな注目が集まるが「やっぱり前半から勝っていたから、その勢いもあったと思う」と優勝した先場所を冷静に振り返る。今場所は序盤から上位陣との対戦が続くことになるのが7月場所との大きな違いだ。前半戦をどう乗り切るか。周囲は更なる復活ドラマを期待しがちだが、どん底から生還した元大関が見据えるのは目の前の一番だけだ。新関脇に昇進した大栄翔も楽しみな存在になってきた。白鵬をも圧倒するほどの突き押しを武器に大関取りにもそろそろ名乗りを挙げそうだ。

 今年はすでに2度も幕尻優勝が起きている。横綱不在は残念だが優勝争いという点では白熱必至であろう。チャンスは誰にでもあると言っても過言ではない。

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