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37年ぶり“超異例”場所 両横綱不在で「優勝本命」は大関朝乃山と“2人の関脇”か?

posted2020/09/13 08:00

 
37年ぶり“超異例”場所 両横綱不在で「優勝本命」は大関朝乃山と“2人の関脇”か?<Number Web> photograph by Kyodo News

先場所、立ち合い前に気合を入れる朝乃山

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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 13日に初日を迎える9月場所は白鵬と鶴竜の両横綱が休場となった。複数の横綱全員が初日から不在となるのは昭和58年5月場所の千代の富士、北の湖以来、37年ぶり。

 ともに35歳と土俵キャリアは長く体は満身創痍。昨年7月場所で6度目の優勝を成し遂げた鶴竜は翌9月場所から今場所までの直近6場所で皆勤は今年3月場所の1場所のみ。白鵬も直近6場所中、15日間を全うしたのは2場所だけでいずれも賜盃は手にしているが、2場所連続皆勤となると連覇した平成29年5月、7月場所まで遡らなくてはならない。出場した場所ではしっかり結果を残して第一人者の面目は保っているものの、継続的な強さはもはや望むべくもなくなってきている。

大関朝乃山と“2人の関脇”の争いか

 先場所に引き続き、今場所も横綱不在で優勝が争われることになり混戦が予想されるが、番付からいけば大関朝乃山、正代と御嶽海の両関脇が有力となってくる。これに先場所の覇者で元大関の照ノ富士がどこまで絡んでいけるか。先ごろ、婚約を発表した休場明けの大関貴景勝は回復具合が未知数だけに何とも言えないところだ。

 新大関の先場所は12勝と数字上は及第点と言える星数を挙げた朝乃山だが課題も残った。盤石の相撲で優勝争いの先頭を走っていた白鵬が終盤で連敗すると戦線離脱。2横綱と大関貴景勝を休場で欠き、出場した力士の中で番付最上位になった途端、照ノ富士、照強と平幕相手に手痛い連敗を喫した。本来であれば番付が離れているため、顔が合うはずのない相手と終盤で急きょ、対戦が組まれ、若干のやりづらさがあったのかもしれない。「今までの連敗よりは違うものを感じたと思います」と看板力士としての重圧を一身に背負い込んでしまった形だ。

 それでも立ち合いで強く当たって右を差し、左上手を引きつけて寄り立てる持ち前の攻めは場所を追うごとにパワーアップしている。「先場所の屈辱を晴らしたい」と意気込むが大関としての責任を過度に感じることなく、自分の相撲を取り切ることに集中していけば、おのずと結果もついてくるだろう。

正代、御嶽海の優勝へのポイントは……

 正代、御嶽海は先場所、ともに千秋楽まで優勝を争って11勝。大関取りの起点を築き、今場所は足場固めという位置づけになる。年下の朝乃山がワンチャンスで大関を射止めたことで、両者は大きな刺激を受けたことは想像に難くない。

【次ページ】 照ノ富士の”復活ドラマ”は続くか

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