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ラグビー日本代表の“代役”はどの国に? スクラム自慢の東欧の雄、W杯王者という憶測も 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2020/09/10 08:00

ラグビー日本代表の“代役”はどの国に? スクラム自慢の東欧の雄、W杯王者という憶測も<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ジョージア代表の2019年W杯での成績は1勝3敗。熊谷でのウルグアイ戦では巨漢FWが奮闘して勝利を収めた。

強固なスクラムこそジョージアの誇り

 ジョージアは伝統的に世界トップレベルの巨漢揃いのフォワードのパワーを武器としてきた。強固なスクラムは”ジョージアラグビーの誇り“と言われるほどだ。

 ジョージアラグビーの肉弾戦での強さを説明する事実の1つとして、“力技”を特技とするジョージア人の国民性があるのかも知れない。

 ジョージア代表のオリンピックでの実績を見ると、金8、銀7、銅17の計32個のメダルを獲得している。興味深いのは、'00年シドニー五輪のボクシング、2008年北京五輪での射撃で銅メダルを獲得しているが、それを除いた30個のメダルは、レスリング、柔道、ウェイトリフティングの3種目からだ。

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 それゆえ、スペースを使ったバックスの展開力に欠けるとされてきたジョージアラグビーだが、ここへ新しいラグビーを植え込みにやってきたのが、2011から代表を率いたニュージーランド出身のミルトン・ヘイグ監督だった。

新しい風を吹き込んだヘイグ監督

 FWの肉弾戦だけでなく、NZ流のバックスのコンビネーションなどを取り入れた新生ジョージア。'15年イングランド大会のW杯では、スクラムハーフのバシル・ロブザニゼを18歳で代表に抜擢し、大会史上最年少出場記録を更新。またこの大会ではトンガとナミビアを破り、準々決勝進出とはならなかったものの、史上初の予選プール3位を記録した。ニュージーランド戦では43-10と大敗を喫したが、この試合の最優秀選手賞はジョージア代表主将でフランカーを務めたマムカ・ゴルゴゼ選手だった。

 ちなみに、当時フランストップレベルのクラブであるトゥーロンに所属していたゴルゴゼ選手は、2016-17シーズンには日本代表でフルバックを務めた五郎丸歩選手とチームメイトとして共に戦っている。

 また、ジョージア代表を8年間率いたヘイグ監督は、1勝3敗と平凡な結果に終わった'19年のW杯後に契約を満了し、現在はトップリーグのサントリー・サンゴリアスで監督を務めている。

 ジョージア代表時代の日本代表との対戦成績は1勝4敗で、唯一の勝ち星は'14年、エディ・ジョーンズ監督時代にホームのトビリシで挙げている。またサンウルブズでは代表HOジャバ・ブレグバゼがプレーするなど、一般的には馴染みの薄い国かも知れないが、ラグビー界においては意外と日本と繋がりのある国でもある。

【次ページ】 イタリアに敗れ、昇降格案が立ち消え

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