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ラグビー日本代表の“代役”はどの国に? スクラム自慢の東欧の雄、W杯王者という憶測も 

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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posted2020/09/10 08:00

ラグビー日本代表の“代役”はどの国に? スクラム自慢の東欧の雄、W杯王者という憶測も<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

ジョージア代表の2019年W杯での成績は1勝3敗。熊谷でのウルグアイ戦では巨漢FWが奮闘して勝利を収めた。

制約の中で興行収入をどう確保する?

 第二波を警戒する欧州の各国政府は、ウイルスの伝播状況によって検疫ルールを常に見直している。イギリス政府は、フランスやイタリアを含む西欧の近隣国からの渡航者に、2週間の自宅待機を強制するルールを発効2日前に出すなど、強硬策をとっている。実際の確率は知る術もないが、イギリス政府は自宅訪問、電話での所在確認などを行う人員を雇っており、違反時は1000ポンド(約14万円)の罰金が科される。

 今年秋限定の「エイトネーションズ」の主催者である株式会社シックスネーションズは、競技場に何人の観衆を入れることができるのか、試合を観にくる他国からのファンにはどんな検疫ルールが課されるのかも分からないまま、大会を計画しなければならない。

 こうした制約のなか、TV放映権やスポンサー収入も含めて、大会の興行収入も確保する必要がある。エイトネーションズ実行委員会に課された課題が前代未聞の難易度であることは、想像に難くない。

代替国の候補はジョージア代表

 ウイルスの伝播状況によって変わる各国政府の規制内で行わなければならないだけに、大会の正式な詳細日程と試合会場は、9月8日現在でも最終決定に至っていない。

 伝統のシックスネーションズに、ティア1国入りを果たした日本と、ティア2上位国であるフィジーを加えたのが、この大会初期の企画案だった。不測の事態となった場合のためのバックアップ国として控えていたのが、“欧州の東の最果て”とも言えるジョージアだ。2017年より首都トビリシからロンドンへの直行便も運航されており、大会実行委員会にとってもジョージアは日本の代替オプションと考えるのが自然だ。

 現在、世界ランク12位に位置するジョージア(日本は9位、フィジーは11位)。10位のアルゼンチンは、現状では同時期にニュージーランドで行う計画となっている、ザ・ラグビーチャンピオンシップに参加する予定だ。現状の諸事情を考えれば、ジョージアがエイトネーションズに参加するのは真っ当な流れだろう。

【次ページ】 強固なスクラムこそジョージアの誇り

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