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「やっぱりツンデレなんですよ」大谷翔平インタビュアーが語った真相…大谷がふと口にした一言「なるほど、で終わったら僕は見限られていたかも…」
posted2025/01/15 11:01
text by
石田雄太×糸井重里Yuta Ishida & Shigesato Itoi
photograph by
Nanae Suzuki
「末恐ろしい…僕でさえびっくり」
石田 ドジャースのスカウトが涙を飲んだ、その半年後にまたすごい選手? じゃあ、一緒に見にいこうと花巻東にいったんです。見にいったら、ひょろーっと背の高い少年が。
糸井 もう185cmくらいあったんですか。
石田 もっとあったと思います。スカウトは「すっごいピッチャーだ」って興奮してるんですよ。見てみたら確かに両腕がすーっと鶴みたいにあがってきて、腕のしなり方とか、末恐ろしい。僕でさえびっくりしました。実際、そのスカウトは3年間、花巻東に通いつめて、今度は、大谷選手はアメリカにいきますって言いましたからね。大谷選手が怪我をした高校2年のときに日本のスカウトはみんな離れたんですよ。でも、ドジャースのスカウトだけはずっと見続けて、大谷選手にとってはそれがモチベーションになったようです。
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糸井 怪我をしても見てもらえる。しかもメジャーのスカウトが。
石田 大谷選手が高校3年生のときに、インタビューさせてもらったんですけど、思考の順番とか考え方とか、ぼくの30歳下というのはこういうカルチャーなんだって、いろいろ驚かされることがありました。プロに入ってこうなった、メジャーに入ってこうなったとか、大谷選手って変わりましたかってよく聞かれるんですけど、根本的なところは変わってない。そうじゃないとここまで来られないんじゃないかなという気がします。18っていう歳を舐めちゃいけない。16、17くらいでもちゃんと自分に向き合っているということを教えてもらったっていう意味では、ものすごく新鮮な選手でした。
「大谷選手の場合は逆算なんです」
糸井 ずいぶん年下の高校生の大谷選手から石田さんは学んだんですね。
石田 学んでるというか、それ以上かもしれません。プロに入って二刀流やるっていうときも、僕は投げるのと打つのふたつやることに関して疑ったことはなくて、絶対やれると思ってました。でも常にその上を必ずいかれるんです。アメリカにいくときも、15勝、30本やったらそれが頂点だと僕は思ってましたし……。
糸井 15勝30本でもすごいですよね。