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ラグビー日本代表の“代役”はどの国に? スクラム自慢の東欧の雄、W杯王者という憶測も
text by
竹鼻智Satoshi Takehana
photograph byNaoya Sanuki
posted2020/09/10 08:00
ジョージア代表の2019年W杯での成績は1勝3敗。熊谷でのウルグアイ戦では巨漢FWが奮闘して勝利を収めた。
W杯王者南アを呼ぶ声も?
こうした背景から日本の代わりの国はジョージアではなく、南アフリカだという憶測も飛び交った。
南アフリカ代表は、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン代表とともにザ・ラグビーチャンピオンシップに参加する“はず”である。だが、スーパーラグビーの事実上の解散に伴い、かつての同僚たちとの関係が冷え込んでいると見られている。
この状況を見逃さず、昨年のW杯優勝国を呼ぶシナリオを考えないようでは、大会実行委員会は務まらないだろう。興行面においても、代表戦のTV視聴者数が多い南アフリカを入れれば、大きな放映権収入とスポンサー収入を稼ぐチャンスとなる。さらに幸いなことに、南アフリカはイギリスと1時間差の西欧時間帯に位置し、昼過ぎ、夕方の両方の時間枠での試合が問題なく行える。
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しかしながら、最終的にはジョージアを招待する方向で調整が進められている模様だ。
ジョージアの国営放送局でスポーツを担当する、ルカ・チョチュア氏は今回の件についてこう語ってくれた。
「ジョージアラグビーは現在、大きな分岐点に立っている。協会では組織改編が行われ、多くの選手はより良い給料のために海外でプレーし、過去3回のW杯に出場した代表選手たちは既に引退したか、キャリアの終盤にいる。この大会(エイトネーションズ)は若手たちが実力を試す素晴らしい機会になるだろう。
もちろん、良い結果に期待したいが、ラグビーがメジャースポーツであるジョージアのファンたちは、厳しい戦いになることは熟知している。ただ何より大事なのは、ジョージアが世界のトップ相手に堂々と戦う機会を与えられたことだ」
前代未聞、という言葉が今年ほど似合う年はない。そんななか、欧州のラグビー界は独自の思惑とともに、今年限定の秋の大会を計画している。