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FA杯制覇もアーセナルがゴタゴタ。
強化部長解任に長引くエジル問題。 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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posted2020/08/25 19:00

FA杯制覇もアーセナルがゴタゴタ。強化部長解任に長引くエジル問題。<Number Web> photograph by Getty Images

FA杯制覇で苦悩のシーズンを締めくくったアーセナルだが、2020-21シーズンも前途多難なのだろうか。

フロント要職が移籍市場真っただ中に。

 そして8月15日、サンジェイが辞任した。ヘッド・オブ・フットボールという要職にあった男が、新シーズンの補強戦略を煮つめる時期にクラブを去っていった。

 55人もの従業員を解雇する非常時に重責を担った男がその座を去るとは、異例中の異例である。しかもアーセナルもサンジェイも、辞任の理由を明らかにしていない。

 英国の高級紙『Times』は、次のように伝えている。

「7月中旬、『KSE』がアーセナルに送り込んだティム・ルイス弁護士が関与しているのではないだろうか。彼はフットボール畑を熟知しているサンジェイではなく、ビジネス畑に精通するビナイ・ベンカテシャム(マネージング・ディレクター)を選択したようだ」

 これが事実だとしたら、アーセナルを信じてきたサポーターと選手、従業員がバカを見る。コロナ禍でクラブがよりまとまらなければならない時期に、お家騒動によって上層部のひとりが職を追われた、とも考えられるからだ。

 アーセン・ベンゲル元監督がすべてを取り仕切っていた当時には、起こりえなかったスキャンダルである。

特定のエージェントを信頼する現SD。

 サンジェイ切りがコストカットだとしても、なおかつ在任期間に特筆すべき結果を出していなかったとしても、ベンカテシャムの力は未知数だ。

 テクニカルディレクターのエドゥ・ガスパルは特定のエージェントのみを信頼し、前述の記事にあるルイスなる弁護士も財務管理が主な任務だ。

 英語力の乏しいウナイ・エメリ(前監督)を招聘したり、ニコラ・ペペを獲得する際の手法に少なからぬ疑問が生じたり、サンジェイにも問題が続出しているが、サポーターを無視するような内輪揉めには一刻も早くピリオドを打つ必要がある。

 なぜ、サンジェイは辞めたのか。なぜベンカテシャムがヘッド・オブ・フットボールも兼任するのか。ルイスはアーセナルを、フットボールを理解しているのか。具体的な説明が欲しい。

【次ページ】 アシストが伸び悩んだエジルは?

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