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短縮シーズンと快記録の可能性。
MLB、打率4割や防御率0点台は──。 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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posted2020/08/15 11:40

短縮シーズンと快記録の可能性。MLB、打率4割や防御率0点台は──。<Number Web> photograph by Getty Images

2004年夏、60試合で121安打という驚異的な安打数を記録したイチロー。

60試合は絶好調維持が十分に可能な時間。

 群を抜いているのはこの両雄だが、彼ら以外では、1999年のトニー・フェルナンデス(4月12日~6月21日の60試合で4割3分2厘)、1977年のロッド・カルー(4月28日~7月8日の60試合で4割2分7厘)が光る。

 そう、60試合というスパンは、絶好調維持が十分に可能な時間なのだ。今季でいうなら、ヤンキースのDJ・レメイヒューやロッキーズのチャーリー・ブラックモンにチャンスが訪れるかもしれない。

 本塁打数も、意外な水準まで伸びる可能性がある。開幕前、本塁打王は20本台で決まるという声が高かったが、このリストを見ると、短期間に爆発的な数字が記録されている例はけっこう多い。

バリー・ボンズは60試合で37本の固め打ち。

 反射的に思い出すのは、2001年のバリー・ボンズだろう。ステロイドを使用したとはいえ、この年のボンズは73本という驚異的な本塁打量産を見せた。

 開幕直後の4月12日から6月22日までの60試合でも37本の固め打ち。'98年のサミー・ソーサ(5月22日~7月31日の60試合で34本塁打)や'96年のマーク・マグワイア(5月19日~8月2日の60試合で33本塁打)、さらには2017年のジャンカルロ・スタントン(7月5日~9月10日の60試合で33本塁打)も、ボンズには及ばなかった。

 今季、大爆発する選手がいるとしたら、ヤンキースのアーロン・ジャッジか。レッズのニック・カステラノスも好調だが、これまでの実績が物足りない。

 投手部門はどうだろうか。

 12試合に連続先発し、その間の防御率が0点台だった投手はかなりの数にのぼる。

 目立つのは21世紀の投手だ。2015年のジェイク・アリエータ(8月4日~10月2日の12試合で0.41)、'18年のクリス・セール(6月8日~9月16日の12試合で0.65)を筆頭に、'10年初夏のジョシュ・ジョンソン、19年秋のジャック・フラハティ、15年夏のクレイトン・カーショーなど、記憶に残る快投劇を演じた投手の名がずらりと並ぶ。

【次ページ】 ノーラン・ライアンは12試合で142奪三振。

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