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山小屋支援でベンチャーが存在感。
ヤマップ代表が語る登山の希望と不安。 

text by

千葉弓子

千葉弓子Yumiko Chiba

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photograph byYAMAP

posted2020/08/05 11:30

山小屋支援でベンチャーが存在感。ヤマップ代表が語る登山の希望と不安。<Number Web> photograph by YAMAP

登山者用のアプリを提供するヤマップの代表・春山慶彦さん。元編集者で2013年に起業した。

「1円も無駄にせず山小屋の方々へ」

 しかし結果的には、老舗とベンチャー、2つのメディアが同時に同じアクションを起こしたことで大きな相乗効果が生まれた。

「ヤマップ、ヤマケイに関係なく、山小屋へ支援の輪が広がることが目的です。両社が同時期に取り組んだことは、結果的によかったと思います。どちらか1社で行っても、ここまでの広がりにはならなかったでしょう。ヤマップのユーザーとヤマケイさんの読者は少し層が異なるので、お互いが補完し合い、発信力が高まったと思います」

 当初の目標金額である200万円に対して30倍以上の支援金が集まったことに、春山さんも身が引き締まる思いだという。

「背筋が伸びますね。1円も無駄にせず山小屋の方々へお届けしたいと思います。分配方法も含めて、使途をすべてオープンにし、8月中にご報告する予定です」

無料で使える地図アプリの収益は?

 今回大きな寄付を集めたヤマップだが、基本的には無料で使える地図アプリだ。企業としてどこで収益をあげているのか。

「ヤマップはこれまで『サービスが先、利益は後』のスタイルで経営をしてきました。昨年11月にようやくアプリが140万ダウンロードを超え、持続可能な会社にするため、マネタイズ(収益化)にも力を入れはじめたところです。アプリに関しては、無料でも使える機能を残しつつ、ヘビーユーザーには有料会員になっていただく流れをつくります。

 また、YAMAP STOREというオンラインショップでの登山・キャンプ用品の販売にも注力しています。9月には、本社のある博多駅近くにリアル店舗も出す予定です」

【次ページ】 登山人口の4割が60代以上。

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