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阪神の好調支える4番大山とボーア。
期待が持てる藤浪晋太郎の球威。 

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藪恵壹

藪恵壹Keiichi Yabu

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photograph byKyodo News

posted2020/07/29 11:50

阪神の好調支える4番大山とボーア。期待が持てる藤浪晋太郎の球威。<Number Web> photograph by Kyodo News

28日ヤクルト戦で今季2本目となる満塁ホームランを放った阪神ボーア。

守備は改善の余地あり。

 成長した打撃に比べると、守備にはまだまだ課題が見られます。と言っても、もともと下手な選手ではなく、肩も強いし、スローイングも悪くない。必要なのは細かいミスの改善です。

 たとえば、22日の広島戦では同点に追いつかれる悪送球がありました。焦らず地面と平行に投げる意識を持つこと。無理に上から投げずにスリークォーター気味の送球へ切り替えても良いと思います。

 また、シーズンをこなすうちに肩の力が落ちてくるのは投手も野手も同じです。むしろ、そのトレーニングをしない選手が多い分、野手の方が落ちると言ってもいいかもしれません。遠投が必要になる外野手はもちろん、内野手の大山もトレーニングしておいた方がいいでしょう。投げることに不安がなくなれば、捕球にもより専念できると思います。

対左腕にも適応したボーア。

 大山とともに打線向上のキーマンとなったのがジャスティン・ボーアでした。開幕から18打席ノーヒットで一時は6番に降格となるなど心配されましたが、初ヒット以降の打率は3割を超えた時期もあり、現在は5番に定着しています。苦手だと言われていた左投手は、中日・岡田俊哉、巨人・メルセデス、DeNA今永昇太らからホームランを放って攻略。速い球に対しても適応力を発揮し、固め打ちできる力があることを証明しました。

 不振の理由を考えてみると、ビジターでの試合が続いていたことが大きく関係していそうです。ホームに帰ってきてからは家族と再会したこもあってか、落ち着いて自分のバッティングができるようになりました。打てなかった期間は結果を求めるあまり、引っ張りの選手なのに反対方向を狙ったり、当てにいったりする姿が見られましたが、思い切って振るようになったことで自然と状態も上がっていきましたね。

 右臀部の張りで数日間離脱し、復帰後はしばらく元気がない様子でしたが、28日ヤクルト戦では満塁ホームランを打ちましたね。ポップフライはホームランと紙一重の打球なので気になりませんが、直球に押されたようなゴロが続いていたので少し心配していました。タイガース打線の勢いを止めないためにも、今後も注視していきたい存在です。

【次ページ】 藤浪は「7回を投げ切ること」

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