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山本昌、今中、岩瀬、憲伸に質問!
外国人捕手A・マルティネスはあり?

posted2020/07/30 11:50

 
山本昌、今中、岩瀬、憲伸に質問!外国人捕手A・マルティネスはあり?<Number Web> photograph by Kyodo News

ヒーローインタビューでポーズを取るA・マルティネス。今季、支配下登録されると「打てる捕手」として大きな注目を集めている。

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Kyodo News

 かつての栄光はすっかりかすみ、中日は7年連続のBクラスにあえいでいる。今シーズンも両リーグ最速で20敗に達し、下位に低迷。そんな誤算と故障者に埋もれているチームにおいて、数少ない明るい話題がアリエル・マルティネスだろう。

 24歳のキューバ人。来日3年目だが、つい先日まではあまり名を知られていなかった。

 マルティネスといえば「ライデル」。しかし、背番号210だった育成選手は、7月に支配下選手(背番号57)となるや、あっという間に一軍に上がり、今やダヤン・ビシエドが欠場した日には4番を任されるまでに成長した。打率.321、2本塁打(7月29日時点)。オマール・リナレス獲得で世界をあっと言わせた中日のキューバルートの太さを証明する逸材である。

 本職は捕手。外国人が捕手として一軍の試合に出場するのは、NPBでは20年ぶりのことだ。谷繁元信の引退以来、終わりなき正捕手争いを続けている中日。圧倒的パワーをもつカリビアンの出現で、一気に終戦かと思いきや、他の捕手との併用が続いている。

 一塁にはビシエドがいる。そこで「外野の練習をさせてみては?」なんて声もあるのだが、強打の外野手なら「普通」ではないか。「強打の捕手」だからこそ一気にチームの課題である得点力もアップする。「言葉の壁が」だの「細かいコミュニケーションが」だの心配していたらきりがない。そこでドラゴンズが誇る4人のレジェンド投手に聞いてきた。

「あなたが現役なら、アリエルと組むの嫌ですか?」

山本昌「ハイブリッドかな」

 年齢順にまずは通算219勝、“50歳まで投げた男”山本昌氏から。

「外国人だからって何の問題もないでしょ。僕、若い頃にフロリダ教育リーグに行ってるでしょ? 当然、捕手も外国人です。そこで僕はスクリューボールを覚えるわけだけど、覚えたてだからワンバンばかり。でもね、暴投ゼロだったんだ。外国では捕手はまず『止める』ことを求められるから、実はうまいんですよ。

 アリエルはさしずめハイブリッドかな。外国の『止める』ところと、日本流の女房役が持つ、捕ると刺す。細かいことをいえば、僕は小さく構えてくれる捕手が好き。中村(武志)、矢野(燿大)、谷繁、小田(幸平)。みんな小さく構えてくれた。アリエルは大きいけど、そんなことは伝えれば済むことです」

 アリエルのブロッキング能力を見た上で、太鼓判を押した。

【次ページ】 今中「思い切ってアリエルに」

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