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阪神の好調支える4番大山とボーア。
期待が持てる藤浪晋太郎の球威。
posted2020/07/29 11:50
text by
藪恵壹Keiichi Yabu
photograph by
Kyodo News
7月のタイガースはノリにノッていましたね。最大「8」あった借金を17日間で完済し、Aクラス争いにも加わってきました。開幕直後は日替わり起用だったキャッチャーを梅野隆太郎に固定したあたりから落ち着いたように思います。
特に打線の変化は昨季と比べても著しく、143試合で94本だったホームランが、今季はここまで31試合で36本(以下、データはすべて7月28日現在)。こんなシーズンはなかなかないですよ。
大山の良さは「初球から振る」。
打線の核となっているのは4番・大山悠輔。開幕直後はマルテにスタメンを譲って代打要員に回っていましたが、この采配には当初から疑問を抱いていました。オープン戦は首位打者でしたし、開幕直後もバットはすごくよく振れていましたから。規定打席にまだ到達していないとはいえ、打率.306は梅野、サンズ、糸原健斗に次ぐ数字、8本塁打はセ・リーグ3位の数字です。
もともと初球から積極的に振っていくスタイルの選手ですが、今年は特にその傾向が強いように感じます。ランナーが溜まっていると、とりあえずで1球見るバッターも多いですが、それがないのは彼のいいところ。基本的に0-0のカウントはどの球種、どのコースを狙っているかわからない分、バッターが有利ですから、ファーストストライクを打っていったほうが打率は残ることが多いです。
技術的な面でも変化がありました。昨シーズンは打ったあと軸足になっている右足が流れていましたが、それが小さくなっていますね。まあ、MLBのホセ・アルトゥーベやアレックス・カブレラなんかはわざと軸足をずらすことで打球をライト方向に伸ばしていたわけですから、そこまで気にしなくても良かったかもしれませんが……。