スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
短縮シーズンと日程の有利不利。
一番得をしたのはヤンキース?
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byGetty Images
posted2020/07/18 08:00
7月14日、ヤンキースタジアムで行われた紅白戦。審判、捕手、打者が口を覆いながらプレー。
「お客さん」にひとしい3球団。
レッズは、最初の25試合中、14試合でタイガース(6試合)、ロイヤルズ(4試合)、パイレーツ(4試合)と戦う。
失礼な言い方をするが、この3球団は「お客さん」にひとしい。2019年の負け数を見ると、タイガースが114敗(大リーグ最多)、ロイヤルズが103敗、パイレーツが93敗。負け数が3ケタのチームは、これ以外ではオリオールズ(108敗)とマーリンズ(105敗)しか見当たらない。
一方、スタートダッシュに苦しみそうなチームはレッドソックスだ。なにしろこの地区には、ヤンキースとレイズの両雄が立ちはだかる。ヤンキースの総合力、レイズの投手力は、どちらもペナントを狙えるレベルだ。
レッドソックスは、7月31日から8月17日にかけて、そんな両チームと13試合も対戦する。これは苦しい。ここに差しかかる前の序盤7試合で、できるだけ貯金をしておきたいところだが、今季のレッドソックスにそれほどの余裕があるかどうか。
終盤の日程が最も楽そうに見えるヤンキース。
終盤戦の日程に眼を転じると、こちらも明暗が分かれる。終盤の日程が最も楽そうに見えるのは、なんといってもヤンキースだ。
9月4日以降のラスト23試合の対戦相手を見ると、ブルージェイズ(昨年95敗)、オリオールズ、マーリンズ(負け数はすでに書いた)とお客さんが並んでいる。ここで楽な戦いができれば、ポストシーズンに向けて余裕が生まれるにちがいない。
移動面で、例年よりもゆとりが生まれそうなのは、ドジャースとパドレスだろう。例年ならば、この2チームは東海岸や中西部への遠征がかなりの数にのぼる。だが、今季はそれがない。長距離移動や時差の負担が消えるのは大歓迎だろう。