スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
短縮シーズンと日程の有利不利。
一番得をしたのはヤンキース?
posted2020/07/18 08:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
バスター・ポージーが出ない。ライアン・ジマーマン、ニック・マーケイキス、デヴィッド・プライス、マイク・リークも出ない。
予期したことだが、短縮された今季の大リーグには出場辞退者が相次いでいる。
大半が30代前半で、妻子を持つ選手だ。家族を危険にさらしたくないのは当然のことで、新型コロナウイルスの厄介さが、ここからも伝わってくる。
それでも、開幕まで1週間を切ってくると、どんなシーズンになるかが気にかかる。年間60試合の短縮シーズン。スタートダッシュとラストスパートが鍵を握りそうなことはいうまでもないが、発表された日程を見ると、有利不利の差がくっきりと際立つ。
スタートダッシュをかけられそうなチームは?
ご承知のとおり、今季のレギュラーシーズンは、同地区対決に限定される。
同リーグ同地区球団とは合計40試合、別リーグ同地区球団とは合計20試合。となると当然、強豪がしのぎを削る地区での戦いは厳しくなり、そうでない地区では勝ち抜きが楽になる。
たとえば、ナショナルズやブレーヴスといった強敵がひしめくナ・リーグ東地区に属するフィリーズと、ドジャースが群を抜いて強いナ・リーグ西地区に属するダイヤモンドバックスを比べてみると、有利不利ははっきりと認められる。
フィリーズの場合は、2019年に勝率5割以上を記録したチームとの対戦が60試合中41試合(そのうちロードが20試合)もある。一方、ダイヤモンドバックスのほうは、前年度勝率5割以上のチームとの対戦が20試合(ロードは8試合)しかない。
有利不利は、日程面にも表れる。スタートダッシュをかけられそうなチームの代表格は、秋山翔吾が加入したレッズだ。