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4カ月ぶりの本場所の見どころは?
新大関朝乃山と世代間抗争の楽しみ。 

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荒井太郎

荒井太郎Taro Arai

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photograph byKyodo News

posted2020/07/17 07:00

4カ月ぶりの本場所の見どころは?新大関朝乃山と世代間抗争の楽しみ。<Number Web> photograph by Kyodo News

7月場所を目指し、所属する高砂部屋でのぶつかり稽古で汗を流す朝乃山。

一気に横綱へ駆け上がって欲しいが……。

 昨年5月場所、平幕で初優勝して以来、右を差して前に出ながら左上手も取って積極的に攻め立てる得意の右四つの相撲は場所を追うごとに磨きがかかり、9月場所から10勝以上の勝ち星を継続中。

 勢いにも乗っている新大関には北の湖や千代の富士、朝青龍が関脇から一気に横綱へ駆け上がったことの再来を期待したいが、そこには横綱白鵬という大きな壁が立ちはだかる。

 これまでの対戦成績は白鵬の3戦3勝。

 前回の3月場所は右を差した白鵬が一気の出足で圧倒。朝乃山にとっては完敗と言える内容でなすすべがなかった。

 右の相四つだけに先に左上手を取る展開に持ち込みたいところだ。

御嶽海、正代という両関脇の活躍に期待。

 ところで、角界は世代交代が叫ばれて久しいが土俵はいまだ35歳の白鵬が第一人者に君臨しているのが現状だ。朝乃山の大関昇進を他の若手力士は1つの契機としなければならない。

 17場所連続で三役を維持し、その間に2度も賜盃を抱いて長らく大関候補と言われてきた御嶽海はあっという間に年下の朝乃山に先を越されてしまったが、関脇に返り咲いた27歳は大関取りの足掛かりとなる2桁勝ち星に意欲的だ。

 御嶽海より1学年上の関脇正代も一時の低迷期を脱し、今年1月場所は最後まで優勝を争って堂々の13勝をマークすると3月場所は横綱白鵬を撃破して8勝と三役で初の勝ち越し。燻っていた大器はようやく覚醒しつつある。

 御嶽海、正代の両関脇が朝乃山に続けば、土俵はさらに活気づく。

【次ページ】 4カ月のブランクが有利に働いた力士たちも。

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