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4カ月ぶりの本場所の見どころは?
新大関朝乃山と世代間抗争の楽しみ。
posted2020/07/17 07:00
text by
荒井太郎Taro Arai
photograph by
Kyodo News
相撲ファン待望の本場所が4カ月ぶりに幕を開けようとしている。当初は無観客での開催を目指していた7月場所は今年1月場所以来、半年ぶりに観客を入れて実施されることとなった。
ただし、1日の動員上限は通常の4分の1にあたる約2500人とし、4人マスは1名ずつで利用するなど客席は十分に間隔を空け、入場客はマスク着用、声援自粛、飲酒禁止など新型コロナウイルス感染予防策が徹底される。
力士に対しても支度部屋では準備運動時も含め常にマスク着用、風呂は使用せずシャワーのみといった万全の対策が取られる。
過去に例を見ない試みに最初は戸惑うかもしれないが、それよりも3月場所で観客が全くいない土俵を経験しているだけにかなり人数が制限されるとはいえ観客の目の前で相撲が取れる喜びは格別であろう。
外出自粛、ぶつかり稽古禁止、出稽古禁止。
「1人でもお客さんが入ってくれると僕らもうれしい。春場所は無観客で寂しかったので。改めてお客さんの声援が一番大事」と新大関朝乃山もしみじみと語る。
このコロナ禍で力士たちは外出自粛を余儀なくされ、5月場所は中止となった。
稽古場では濃厚接触を避けるため、申し合いやぶつかり稽古はしばらく禁止せざるを得ず、当初は四股や摺り足といった基礎運動に終始した。6月中旬ごろから各部屋の師匠の判断により徐々に通常の稽古に戻っていったが、禁止されていた出稽古は解禁とはならずそのまま場所を迎えることになった。
大関デビューに1場所“待った”がかかったうえ、難しい調整を強いられた形となった朝乃山だが「不安はない。大丈夫。早く本場所で相撲を取りたい」と仕上がりは順調のようで気力も充実。「大関になって終わりじゃない。もう1つ上の番付がある」と早くもさらに上を見据えている。