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「タニ!フリー!」「落ち着け!」
柏vs.FC東京で響く“本気な神の声”。
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![松本宣昭](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph byEtsuo Hara
posted2020/07/05 16:00
![「タニ!フリー!」「落ち着け!」柏vs.FC東京で響く“本気な神の声”。<Number Web> photograph by Etsuo Hara](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/d/700/img_7d5540881741df7c632718d8f27eb6f4127842.jpg)
「リモートマッチ」の中で柏、FC東京の選手たちはチームメートのプレーを手助けする“神の声”を送り続けていた。
「オフサイドジャナイヨ!」
「後ろでいいよ!」
柏のGKキム・スンギュは、DFがプレッシャーを受けると、すかさず声でサポート。積極的にビルドアップに加わって、自らパスの供給源となった。
練習場で見る紅白戦やトレーニングマッチとは、やはり本気度が違う声、声、声。我々報道陣には、普段なら絶対聞くことができない貴重な声も届いた。記者席の目前に、メンバー外となった柏の選手たちが、マスクをしてソーシャルディスタンスを守りながら座っていたからだ。
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「ナイス! ソメヤ!」
ドリブル突破を図ったアダイウトンに厳しく体を寄せてボールを奪い取った染谷悠太を、クリスティアーノが絶賛する。前述のオルンガが迎えたチャンスシーン後には、怒りの声も。
「オフサイドジャナイヨ!」
オフサイドを主張するFC東京の選手たちに、思わずクリスティアーノが声を荒げる。あまりにも声が響いたため、本人は恥ずかしそうに、反省もしている姿を見せたのだが、それも彼のチーム愛が表れていて、微笑ましかった。
「インスイングで来るよ!」
クリスティアーノ の“声援”にも背中を押されて、試合を押し気味に進めたのは柏だった。後半15分にヒシャルジソンが2枚目のイエローカードで退場となって以降も、攻守に躍動した。だからこそ、後半17分の失点シーンはもったいなかった。
この日、FC東京のCKに対してゾーンで守る柏のディフェンスは、安定感を欠いていた。失点の10分前にも、ショートコーナーからアダイウトンにフリーでヘディングシュートを打たれている。だからこそ、キッカーの小川諒也がボールをセットする直前、染谷が叫んだ。
「そこ! (アダイウトンが)いるよ! インスイングで来るよ!」